ようこそおいでませ
このブログでは、「うつ病の家族・友人・恋人に対して、どう接していったらいいか」という情報を掲載しています。コメントもできますから、うつ病の家族やお友だちをお持ちの皆さん、どうぞ感想をお聞かせくださいね。
うつ病の患者さんへの基本的な接し方は、「受容的・共感的に話を聴く」ということです。初めて訪問してくださった方は、まず「傾聴」についての記事と、「共感」についての記事をお読みください。
希死念慮とは、はっきりした理由がないのに死にたくなることです。
うつ病を患っていらっしゃる患者さんの中には、希死念慮をもたれる方が多いですし、それで実際に自殺を決行しようとなさる方もいらっしゃいます。
「死にたいと騒ぐ人に限って死なない」というのは間違いです。少なくとも、うつ病の場合には、「死にたい」は関心や同情を引くための嘘ではありません。
患者さんの希死念慮は、回りで支えている家族や恋人・友人にとっては、非常に厄介なものですし、「本当に死なれたらどうしよう」と、こちらも不安でたまらない気持ちになりますね。
先日も続けて何件か、家族や恋人が死にたいと漏らし、それにどう対応したらいいかと質問をいただきました。
現在、同じ課題で悩んでおられる読者もいらっしゃることでしょう。
過去記事に、同様の質問への回答がありますので、それを紹介します。奥さまが希死念慮で苦しんでおられる方からの質問です。
→ こちらの記事をお読みください。
うつ病を患っていらっしゃる患者さんの中には、希死念慮をもたれる方が多いですし、それで実際に自殺を決行しようとなさる方もいらっしゃいます。
「死にたいと騒ぐ人に限って死なない」というのは間違いです。少なくとも、うつ病の場合には、「死にたい」は関心や同情を引くための嘘ではありません。
患者さんの希死念慮は、回りで支えている家族や恋人・友人にとっては、非常に厄介なものですし、「本当に死なれたらどうしよう」と、こちらも不安でたまらない気持ちになりますね。
先日も続けて何件か、家族や恋人が死にたいと漏らし、それにどう対応したらいいかと質問をいただきました。
現在、同じ課題で悩んでおられる読者もいらっしゃることでしょう。
過去記事に、同様の質問への回答がありますので、それを紹介します。奥さまが希死念慮で苦しんでおられる方からの質問です。
→ こちらの記事をお読みください。
こういうブログを書いていると、病院や医師に関する問い合わせや愚痴などのメールもいただきます。
そんな中でも一番多いのが、薬が多すぎるのではないかという不安です。
うつ病というのは、脳神経の神経伝達物質がアンバランスになる病気ですから、それを整えるために抗うつ剤を用います。また、不眠に悩むことが多いので睡眠薬を用いたり、不安感が強い場合には精神安定剤を用いたりします。
双極性障害(躁うつ)や躁病で、気分がハイになりすぎているような場合(そのため、不眠不休で動き回ったり、高い買い物をしたり、尊大な態度を取ったりする)にも、周りの人の説得だけではなかなか抑えがききませんので、ひどいときには薬の助けを借りて少し落ち着いてもらうことも必要です。
もちろん、「薬を飲んでいれば治る」というわけではありません。再発を防ぐためにも、環境や生活パターンや思考パターンの見直しなどもしなければならないでしょう。
が、薬をまったく用いないでうつ病を治すのは非常に困難です。たとえば、カウンセリングをしようにも、気力がかなり減退しているために、面談したり、宿題をやったりすることができないことも多いからです。
薬を過信せず、さりとて頭から忌み嫌うこともせずという、バランスのとれた考え方をしていただければと思います。
しかし、一度に大量の薬を出す病院は、やはり問題があると思った方がいいかもしれません。
一口に「抗うつ剤」と言っても、実は何種類もあって、人によって相性の良し悪しがあります。Aさんには良く効いた薬がBさんには効かず、別の薬が効くという事もよくあるわけです。
そこで、普通の精神科医や心療内科医は、数週間ごとに、副作用の軽い薬から「一つずつ」効果を試していきます。抗うつ剤+精神安定剤+睡眠薬+頭痛薬というふうに、違う薬効を狙った薬が何種類か一度に出るなどということは十分あり得ますが、同じ薬効の薬、たとえば抗うつ剤だけで何種類もいっぺんに出るというのは、本当に意味のある処方なのか疑問を持ってもいいでしょう。
抗うつ剤と頭痛のための鎮痛剤をもらった患者さんがいました。次の診察時に「胃のあたりがシクシク痛んで」と言うと、すでに出ている薬の強さ(量や種類)を調整するのではなく、ただ胃薬が追加されただけでした。
次の診察で「便秘気味で、おしっこも出づらい感じがします」と言うと、下剤と利尿剤が追加されました。
さらに次の診療で「手が震えるようになりました」と言うと、抗パーキンソン病薬が追加されました。
しかし、全然抑うつ状態が改善されないので、「なかなか憂うつな気分が抜けなくて」と言うと、一つだった抗うつ剤が3種類になり、しかも最初の抗うつ剤の量も増やされました。
こうやってどんどん薬が増えていき、その結果、ろれつが回らなくなったり、めまいがしたりするようになりました。それに対しても、この医者は薬を追加することで対処しようとしました。
薬がどんどん増えていくのは、大体こういうパターンにはまるからのようです。かといって、病院に行ってつらいことや気になることを訴えられないのも困りますね。
一つずつ効果を確認しながら、薬の種類や量を調整する以上、医者は患者さんの話をよく聴かなければならないはずなのですが、メンタル系の病院の中にはいわゆる「3分診療」でたくさんの患者さんをさばこうとしているところもあります。
話をよく聴かないで、とにかく薬を出しておけばいいという態度の医者も、そういう病院の中にはいることでしょう。そうすると、前項の例のようにどんどん薬の量が増えていきます。
また、よく話を聴かないために、実は別の病気だったのに間違って診断し(たとえば、本当は双極性障害2型なのに、うつ病と診断されるなど)、そのため効かない薬を渡し続けることになり、その結果薬の種類や量が増えるというふうになってしまうこともあるでしょう。
たとえ飲む量が増えたとしても、その結果、病気がしっかり治るのならばまだいいのですが、残念なことに量を増やしたからといって、それで薬効が高まるというわけではないそうです。
ということは、単純に「効かないから量を増やそう」という態度の医師は、おそらく間違ったやりかたをしているということですね。
患者さんに渡される薬がどんどん増えているなと感じたら、思い切ってセカンドオピニオンを取って、本当にちゃんとした診療がなされているのかをチェックしてみるのもいいでしょう。
セカンドオピニオンについては、こちらの記事をご覧ください。
また、過去記事の「問題のある精神科医の見分け方」もご覧ください。
最近では、ネット上で地域の病院の口コミを読み書きできるサイトが増えてきました。最初に病院にかかる時には、知り合いやそういうサイトなどで評判をチェックしてから行くようにするといいですね。「あの病院に行ったら、うつ病がよくなった」という評判です。
結局のところ、医者がどの大学を出ているかとか、建物が立派かどうかではなく、「治せる病院がいい病院」なんです。
本来、患者側がこうやって自己防衛しなければならないというのは悲しいことなのですけどね……。
そんな中でも一番多いのが、薬が多すぎるのではないかという不安です。
このブログは、うつ病患者さんの家族や恋人・お友だちが、患者さんにどう接するかについて書くのが目的なので、申し訳ありませんが患者さん本人からの相談は受け付けておりません。
バランスのとれた考え方
うつ病というのは、脳神経の神経伝達物質がアンバランスになる病気ですから、それを整えるために抗うつ剤を用います。また、不眠に悩むことが多いので睡眠薬を用いたり、不安感が強い場合には精神安定剤を用いたりします。
双極性障害(躁うつ)や躁病で、気分がハイになりすぎているような場合(そのため、不眠不休で動き回ったり、高い買い物をしたり、尊大な態度を取ったりする)にも、周りの人の説得だけではなかなか抑えがききませんので、ひどいときには薬の助けを借りて少し落ち着いてもらうことも必要です。
もちろん、「薬を飲んでいれば治る」というわけではありません。再発を防ぐためにも、環境や生活パターンや思考パターンの見直しなどもしなければならないでしょう。
が、薬をまったく用いないでうつ病を治すのは非常に困難です。たとえば、カウンセリングをしようにも、気力がかなり減退しているために、面談したり、宿題をやったりすることができないことも多いからです。
薬を過信せず、さりとて頭から忌み嫌うこともせずという、バランスのとれた考え方をしていただければと思います。
多すぎる薬は問題
しかし、一度に大量の薬を出す病院は、やはり問題があると思った方がいいかもしれません。
同じ効果を狙った薬が何種類も出る
一口に「抗うつ剤」と言っても、実は何種類もあって、人によって相性の良し悪しがあります。Aさんには良く効いた薬がBさんには効かず、別の薬が効くという事もよくあるわけです。
そこで、普通の精神科医や心療内科医は、数週間ごとに、副作用の軽い薬から「一つずつ」効果を試していきます。抗うつ剤+精神安定剤+睡眠薬+頭痛薬というふうに、違う薬効を狙った薬が何種類か一度に出るなどということは十分あり得ますが、同じ薬効の薬、たとえば抗うつ剤だけで何種類もいっぺんに出るというのは、本当に意味のある処方なのか疑問を持ってもいいでしょう。
量や種類を調整しないで、薬を追加する
抗うつ剤と頭痛のための鎮痛剤をもらった患者さんがいました。次の診察時に「胃のあたりがシクシク痛んで」と言うと、すでに出ている薬の強さ(量や種類)を調整するのではなく、ただ胃薬が追加されただけでした。
次の診察で「便秘気味で、おしっこも出づらい感じがします」と言うと、下剤と利尿剤が追加されました。
さらに次の診療で「手が震えるようになりました」と言うと、抗パーキンソン病薬が追加されました。
しかし、全然抑うつ状態が改善されないので、「なかなか憂うつな気分が抜けなくて」と言うと、一つだった抗うつ剤が3種類になり、しかも最初の抗うつ剤の量も増やされました。
こうやってどんどん薬が増えていき、その結果、ろれつが回らなくなったり、めまいがしたりするようになりました。それに対しても、この医者は薬を追加することで対処しようとしました。
薬がどんどん増えていくのは、大体こういうパターンにはまるからのようです。かといって、病院に行ってつらいことや気になることを訴えられないのも困りますね。
ほとんど話を聞かないで薬を出す
一つずつ効果を確認しながら、薬の種類や量を調整する以上、医者は患者さんの話をよく聴かなければならないはずなのですが、メンタル系の病院の中にはいわゆる「3分診療」でたくさんの患者さんをさばこうとしているところもあります。
話をよく聴かないで、とにかく薬を出しておけばいいという態度の医者も、そういう病院の中にはいることでしょう。そうすると、前項の例のようにどんどん薬の量が増えていきます。
また、よく話を聴かないために、実は別の病気だったのに間違って診断し(たとえば、本当は双極性障害2型なのに、うつ病と診断されるなど)、そのため効かない薬を渡し続けることになり、その結果薬の種類や量が増えるというふうになってしまうこともあるでしょう。
量が増えたからといって効果が高まるわけじゃない
たとえ飲む量が増えたとしても、その結果、病気がしっかり治るのならばまだいいのですが、残念なことに量を増やしたからといって、それで薬効が高まるというわけではないそうです。
ということは、単純に「効かないから量を増やそう」という態度の医師は、おそらく間違ったやりかたをしているということですね。
評判のいい医者にかかること
患者さんに渡される薬がどんどん増えているなと感じたら、思い切ってセカンドオピニオンを取って、本当にちゃんとした診療がなされているのかをチェックしてみるのもいいでしょう。
セカンドオピニオンについては、こちらの記事をご覧ください。
また、過去記事の「問題のある精神科医の見分け方」もご覧ください。
最近では、ネット上で地域の病院の口コミを読み書きできるサイトが増えてきました。最初に病院にかかる時には、知り合いやそういうサイトなどで評判をチェックしてから行くようにするといいですね。「あの病院に行ったら、うつ病がよくなった」という評判です。
結局のところ、医者がどの大学を出ているかとか、建物が立派かどうかではなく、「治せる病院がいい病院」なんです。
本来、患者側がこうやって自己防衛しなければならないというのは悲しいことなのですけどね……。
拙著「うつ病の家族への対応マニュアル」を購入してくださったI・Mさん(彼氏さんがうつ病の女性)から、こんな経過報告をいただきました。
「うつ病は心の風邪だ」などというたとえがありますが、これは「誰でもかかる可能性がある」という意味であって、自殺の可能性があるだけに軽く見てはいけない病気です。I・Mさんの彼氏さんの場合、実際に自殺未遂をやってしまったわけで、I・Mさんもとても心配していらっしゃいました。
遠くに住んでいて、電話とメールしかコミュニケーションをとれる手段がない中で、ただただ彼の話を否定しないで耳を傾け、その気持ちを共感し続けるのは、それしかできないとはいえ本当に不安だったろうと思います。それでも、I・Mさんはそれに徹し続けました。
でも、それを続けてこられたからこそ、彼氏さんは生きる勇気を受け取られたのです。「死にたい」という言葉をしっかりと受け止めてもらい、そう言わざるを得ない苦しさを分かってもらったとき、「でも、私はあなたを愛しているから、死んで欲しくない」という言葉を聞く余裕が、ちょっぴり彼の中に生まれたのです。
だから、彼は「もう一度がんばって生きてみる」というものすごい決断の言葉を、泣きながらですが(それだけ生き続けることは、彼には苦しいのですが)出すことができたのです。
I・Mさんは、これまでよく辛抱して、彼の弱音を聴き続けられたなと思います。どんなにか不安で、苦しかったことでしょう。でも、その苦しさを耐えて、聴き続けた分だけ、彼に生きるエネルギー、生きる勇気が注がれたのだと私は思います。
「聴くことしかできない」ではなく、それは患者さんにとって、ものすごい援助なんだということを、このブログの読者の皆さんにも、ぜひ知っていただきたいと思います。
彼は、「将来が見えず、死にたい」とずっと言っていました。
実際、自殺未遂をしてしまったために、彼は北海道の実家に帰り、遠距離恋愛になりました。
実家に帰ってもなお願望が強い彼に、電話とメールでのコミュニケーションしかできず、どうしたら生きてくれるだろうと毎日不安で、悩んでいました。
マニュアルを読んで、「そうなんだ」「そうだよね」と相槌を打つことは徹底して実行しました。
「好きだよ」「離れたくないよ」という気持ちも溜め込まず、タイミングをみて伝えました。
それだけでは彼の自殺願望は消えませんでしたが、家族にもお医者さんにも言わないような「死にたい」という話も、私にはずっとしてくれました。
また、私が夏季休暇をとった際に北海道(彼の実家)へ行ったのですが、それが彼にとって良い刺激になったのか、今まで積み重ねた成果が現れて、私が帰るときには泣きながら「もう一度がんばって生きてみる」と言ってくれました。
それからは波はあるものの、自殺願望は見えなくなりました。
「うつ病は心の風邪だ」などというたとえがありますが、これは「誰でもかかる可能性がある」という意味であって、自殺の可能性があるだけに軽く見てはいけない病気です。I・Mさんの彼氏さんの場合、実際に自殺未遂をやってしまったわけで、I・Mさんもとても心配していらっしゃいました。
遠くに住んでいて、電話とメールしかコミュニケーションをとれる手段がない中で、ただただ彼の話を否定しないで耳を傾け、その気持ちを共感し続けるのは、それしかできないとはいえ本当に不安だったろうと思います。それでも、I・Mさんはそれに徹し続けました。
でも、それを続けてこられたからこそ、彼氏さんは生きる勇気を受け取られたのです。「死にたい」という言葉をしっかりと受け止めてもらい、そう言わざるを得ない苦しさを分かってもらったとき、「でも、私はあなたを愛しているから、死んで欲しくない」という言葉を聞く余裕が、ちょっぴり彼の中に生まれたのです。
だから、彼は「もう一度がんばって生きてみる」というものすごい決断の言葉を、泣きながらですが(それだけ生き続けることは、彼には苦しいのですが)出すことができたのです。
I・Mさんは、これまでよく辛抱して、彼の弱音を聴き続けられたなと思います。どんなにか不安で、苦しかったことでしょう。でも、その苦しさを耐えて、聴き続けた分だけ、彼に生きるエネルギー、生きる勇気が注がれたのだと私は思います。
「聴くことしかできない」ではなく、それは患者さんにとって、ものすごい援助なんだということを、このブログの読者の皆さんにも、ぜひ知っていただきたいと思います。
ついに、テレビのアナログ放送が終了し、完全地上デジタル化されましたね。
と言っても、私が住んでいる福島と、宮城・岩手の被災地3県は、来年の3月末まで延期になったんですが……。
でもまあ、とにかく地デジ化です。
アナログ放送が終了する件については、数年前からしつこいくらいに宣伝していましたから、すでにほとんどの世帯に周知されていたと思っていました。でも、ニュースを見る限り、対応してなくて慌てている人たちも多いみたいですね。
お年寄りの一人暮らしなんかは仕方ないとしても、結構若い人たちでも慌てている人がいるって……。
「聞いてもらう」「分かってもらう」って、ホントに難しいんだなと、改めて思いました。
私は、人前でしゃべったり教えたりする仕事をしているのですが、訓練中に教わったことの一つが、「どうしても知って欲しいことは、表現を変えて7回繰り返せ」というものです。それくらい、人は聞かないし、理解しないんだということですね。
ましてやうつ病の患者さんの場合には、病気の影響で普段よりも理解力・判断力が低下していることがあります。「何度言っても分かってくれない」とイライラすることがあるかもしれませんが、少し鷹揚に構えて、何度も何度も伝えていくことにしましょう。
と言っても、私が住んでいる福島と、宮城・岩手の被災地3県は、来年の3月末まで延期になったんですが……。
でもまあ、とにかく地デジ化です。
アナログ放送が終了する件については、数年前からしつこいくらいに宣伝していましたから、すでにほとんどの世帯に周知されていたと思っていました。でも、ニュースを見る限り、対応してなくて慌てている人たちも多いみたいですね。
お年寄りの一人暮らしなんかは仕方ないとしても、結構若い人たちでも慌てている人がいるって……。
「聞いてもらう」「分かってもらう」って、ホントに難しいんだなと、改めて思いました。
7回繰り返す
私は、人前でしゃべったり教えたりする仕事をしているのですが、訓練中に教わったことの一つが、「どうしても知って欲しいことは、表現を変えて7回繰り返せ」というものです。それくらい、人は聞かないし、理解しないんだということですね。
ましてやうつ病の患者さんの場合には、病気の影響で普段よりも理解力・判断力が低下していることがあります。「何度言っても分かってくれない」とイライラすることがあるかもしれませんが、少し鷹揚に構えて、何度も何度も伝えていくことにしましょう。
うつ病と経済的な不安
調査によると、うつ病で通院している人の6〜7割は、治療開始から半年以内にかなり回復します。
しかし、25%の人は、「だいぶ楽になった」と言えるようになるまで1年以上かかり、中には4年、5年と、長期にわたって治療を続ける患者さんもいらっしゃいます。
私は、1年以上治療している患者さんはもっと多いと感じていますが、これは私のところに相談してこられるのは、すでに長期に治療が続いている患者さんやその家族が多いからでしょう。
また、うつ病は再発も非常に多く、7割前後と言われています(おそらく、まだしっかり治っていないのに、少し楽になったからと、通院・服薬をやめてしまったり、無理をしてしまったりするせいでしょう)。
そうなると、問題になるのが治療費です。いくら保険がきくからといっても、何年も治療を続けるのは大変です。いったん症状が治まっても、人によっては予防薬を続けて飲まなければいけない場合もあります。
しかも、重度になれば、患者さんは働くことができなくなりますから、一家の大黒柱が倒れてしまえば、とたんに家族は経済的な不安を抱えることになります。
医療ソーシャルワーカー
病院によっては、「医療ソーシャルワーカー」(Medhical Social Worker、略してMSW)という職種を置いているところがあります。
医療ソーシャルワーカーさんたちは、医療と福祉に関する専門知識を持っていて、患者さんの経済的な課題の解決をお手伝いしてくださいます。
実は、患者さんの経済的に課題に対しては、さまざまな公のサポートが用意されています。
福祉的なサポートというと「生活保護」が思い当たりますが、これは最終手段。他にも、疾病手当金、自立支援医療費、障害年金など、いろいろなサポートが用意されています。
申請主義
しかし、日本の場合、こういったサポートというのは「申請主義」に基づいて給付されます。こちらが「こういう理由でサポートしてください」と申請しないと、お役所の方から積極的に手をさしのべてはくれないということです。
しかし、どんなサポートがあり、どこの役所にどうやって申請したらいいかというのは、普通の人はあまり知りません。
そこで、医療ソーシャルワーカーの人が、どんなサポートがあるかを情報提供してくださり、申請できるように手伝ってくださるのです。
また、ある程度病状が回復して、いよいよ社会復帰しようとする際にも、スムースに復帰できるよう、いろいろと相談に乗ってくれます。
相談しよう、そうしよう
小さなクリニックでは、医療ソーシャルワーカーを置いていない所も多いですが、相談を受けられるかどうか、受付で(あるいは主治医に)尋ねてみるといいでしょう。
あるいは、地域の保健所、市町村役場の健康課や福祉課で相談するのもいいでしょう。
うつ病の患者さんを支えるというのは、とても大変です。
こういう外部の助けの手は、できるだけ上手に活用して、一人でストレスをためこまないようにしましょうね。
