大切な家族や友人、恋人がうつ病になったら……ここで対応のヒントを受け取ってください
ようこそおいでませ

このブログでは、「うつ病の家族・友人・恋人に対して、どう接していったらいいか」という情報を掲載しています。コメントもできますから、うつ病の家族やお友だちをお持ちの皆さん、どうぞ感想をお聞かせくださいね。
先日、このブログの読者の方に、患者さんが「もう元気になったのに、どうして病院に行ったり、薬を飲んだりしなければならないのか」と嫌がって困るという相談をいただきました。

この方はそうではありませんでしたが、もしかしたら、家族の中にも「もう元気になったのに、いつまで治療が続くんだろうか」と心配していらっしゃる方がおいでかもしれません。

今日は、その理由をお話ししましょう。


うつ病の再発


うつ病というのは、実はものすごく再発率が高い病気です。データによって上下しますが、約6割の人が再発すると言われています。

特に、再発する人の約半数は、治療をやめてから1年以内に再発しています。

再発の原因


再発の原因はいくつも考えられますが、おそらく最大の理由は、抗うつ剤が効いていて調子が良くなっているのに、つまりまだ本当には治っていないのに、完治したと誤解して、勝手に通院・投薬をやめてしまう人が多いせいです。

再発防止


うつ病は再発率が高いことが知られているので、お医者さんは、患者さんの症状が表面的に良くなっても、半年程度、場合によっては1年は、通院と服薬を続けてもらいながら様子を見るのが一般的です。

そして、それを中断しないで続けた人の再発率は、かなり下がります。

ですが、実際には、医師の指示通りに再発防止に努めないで、勝手に通院・服薬をやめてしまう人が多いようです。残念なことですね。

ですから、周りの家族が、以上の客観的な事実を伝えて、お医者さんが「これにて終了」と言うまで、つらいけれども治療を続けていこうねと励ましてあげて下さい。


励ます前に


ただし、事実を伝えたり、励ましたりする前に、「どうして元気になったのに?」という患者さんの疑問や、「もういい加減に、治療は終わりにしたい」という患者さんの気持ちは、しっかりと聴いてあげて下さい。

そして、「もう、こんな治療は嫌だよね」「早く終わりにしたいよね」と、その気持ちを汲み取って、共感してあげて下さいね。




躁状態になっている方は別として、
前向き肯定的なうつの方には、私はあんまり会ったことがありません。

うつの患者さんは、弱音を吐きます。
否定的なことをたくさん語ります。
「死にたい」って、毎日言います。

そういう病気なんです。


励ませば励ますほど、苦しそう


愛情ゆえ


でも、弱音を吐かれると、周りの家族は励ましたくなります。

「そんなことないよ」と否定したくなります。

「そんなこと言っちゃダメ」って言いたくなります。

「もっと前向きに考えて」と教えたくなります。」


もちろん、それは愛情ゆえです。
それは間違いありません。

でも、これって、かえってうつの方を苦しめることが多いのです。

ここに、うつ病の患者さんを支える難しさがあります。

愛情を持って関われば関わるほど、かえって患者さんは苦しそうな顔をする。すると、どうしていいのか分からなくなってしまいますね。

あなたはいかがですか?


なぜかえって苦しいのか


それは、弱音を吐いてすぐに励まされたり、それを否定されたりすると、
「誰も、私の気持ちを分かってくれない」と、かえって孤独感が増してしまうからです。

弱音を吐くことを禁じられたとしても、その弱音が無くなってしまったわけではありません。心の中で悶々とするばかりで、かえってつらくなってしまいます。


あなたはいかがですか? たとえば、

「毎晩遅くまで○○(患者さん)の弱音を聞かされて、息が詰まる。こっちまでおかしくなりそう」

……と、お友だちに愚痴をこぼしたとしましょう。すると、そのお友だちが、

「そんなこと言っちゃダメ。あなた、親(夫、妻)でしょう? ○○さんは、あなただけが頼りなのよ。もっと愛情深くかかわらなきゃ」。

……なんて説教されたらどうですか?


「よし、がんばろう」と、やる気になりますか?

むしろ、かえってつらくなりませんか?


まあ、中にはやる気が出るという方もおいでかも知れません。でも、うつの方は、たぶんかえってつらくなると思いますよ。病気でない人よりも、はるかに傷つきやすく、元気の出にくい状態になっていますから。


気持ちを聴いてあげて


だから、聴くあなたもつらいかも知れませんが、患者さんの弱音に耳を傾けてあげて欲しいのです。

その苦しい気持ちを聴いてあげて欲しいのです。


この後、前回同様、「ちゃんと聴いているよ」というメッセージを伝えながら話の聴く聴き方についてお話しします。


ちゃんと聴いているよのサイン


そう感じるんだね


患者さんの話を聴きながら、その話が常識的にどうだとか、論理的かどうかと言うことには、とりあえず目をつむりましょう。そして、患者さんは今、どんな気持ちなのかなあということに意識を向けて聴きましょう。

そのとき、前回の記事でお話ししたように、3つのポイントに気をつけながら話を聴いてみて下さいね。


そして、患者さんの気持ちが伝わってきたら、こんなふうに語りかけます。

「そう。そんなふうに感じるんだね」。


もちろん、口先だけで言ってもばれてしまいます。本当に、患者さんの気持ちに焦点を合わせて聴いて、患者さんの気持ちを受け止めてからです。


○○なんだね


さらに、「そんなふうに」のところを、患者さんの気持ちを表す具体的な言葉にして伝えてみましょう。

○○なんだね
○○だったんだね

……というふうに。


たとえば、

「そう。悲しいんだね」。
「そっかぁ、そんなことを言われて、死にたくなったんだね」

……というふうに。


こんなことで、患者さんを元気にすることができるのかと思われるかもしれません。でも、「元気にしたい」と張り切ることが、かえって患者さんを苦しめてしまいます。

「早く治れ」と急かされているように感じるからです。そして、それに応えられない自分が情けなく思えてくるからです。

ですから、前回と今回のやり方で関わってみて下さい。きっと患者さんは、少し気持ちが楽になるはずです。



治そうとするな、分かろうとせよ


うつ病の患者さんとお話しするとき、家族や恋人としては、「この会話によって、何とか元気になってもらいたい」と思いますね。

「この会話によって」と意気込むと、どうしても、弱音を吐く患者さんの言葉を遮ったり、無理に励まそうとしたりしますね。


でも、「この会話によって」と意気込むことが、実は患者さんにとってはかえってストレスになることも多いのです。というのも「早く治れ」と急かされているような気になったり、「元気じゃないあなたはダメだ」と言われているような気になるからです。


患者さんの第一の願いは、「この苦しい気持ち、分かって!」なので、まずは「治そうとしないで、分かろうとして聴く」ことに集中しましょう。


口をはさまないで聴く


そのためには、まずは「口を挟まないで聴く」技術を身につけましょう。

うつ病の患者さんが、自分のつらい気持ちを語ったり、
死にたいなんてことを言ったりしたとき、
ついつい励ましたくなったり、「そんなこと言わないで」と言いたくなります。


でも、その一言をグッと飲み込んで、黙って聴いて下さい。

こちらが何を言うかに意識を向けるのではなくて、「この人はどんな気持ちなんだろう」というところに意識を向けて下さい。


しかし、ただ黙っているだけだと、患者さんは「本当に聴いているのか」と不安になりますから、「聴いているよ」というサインだけは送ることにしましょう。サインの送り方は3つばかりあります。

(1) アイコンタクト


相手を優しく見つめながら話を聴きましょう。

真剣に聴こうとすると、案外怖い顔になってしまいますから、優しく見つめることを意識して下さいね。

(2) うなずき


これも意識しないと、なかなかできません。多少オーバーなくらいにやりましょう。

(3) 相づち


相手の話に合わせて、何か声を出しながら聴きます。声というのは、

  「そう……」
  「そっかぁ……」
  「そうなんだ……」
  「ふーん……」
  「へー……」
  「なるほど……」

というような言葉です。他にも、

  「それから?」
  「それで?」
  「もっと話して」
  「もっと聴かせて」

というふうに、話を促すような言い方をしてもいいでしょう。ただし、話を急かすような雰囲気にならないようにして下さい。


気持ちに焦点を合わせて聴く


大切なことは、患者さんの気持ちに焦点を合わせて聴くということです。

私たちは、ついつい「どんなふうにアドバイスしようか」と、アドバイスのポイントを探して聴いてしまいます。そうではなくて、患者さんの気持ちを汲み取ることが第一です。

口には出さないけれど(もちろん出してもいいですが)、

  「あなたはそういう気持ちなんだね」
  「そうか、そんなにつらいのかぁ」
  「もっとあなたの気持ちを聴かせて」

というような思いをこめて、見つめ、うなずき、相づちを入れながら、耳を傾けましょう。


こういう話の聴き方を、カウンセリングでは「傾聴」と言います。

私がカウンセリングの訓練を受けたとき、二人一組になって、相手の話を聴く練習をしました。まず練習したのは、この傾聴の技術でした。

最初は2分間黙って聴くのもつらかったです。感想を言いたくなったり、アドバイスしたくなったりして、そのうちムズムズしてきたものです。

あなたもそうかも知れません。


でも、ぜひ実践してみてください。だんだんと、口を挟まないで聴くことに慣れてきます。

そして、患者さんの気持ちがだんだんとくみ取れるようになってきます。


すると、その分だけ、患者さんの心は楽になるのです。

うつ病の患者さんは、つらい気持ちがたくさんたまっています。あなたにその気持ちを分かってもらった分だけ、少しずつ気持ちが楽になってきます。


治そうとして、あれこれしゃべる前に、まずは黙って耳を傾ける技術を身につけましょう。



このブログでお伝えしている、受容的・共感的な聴き方を実践なさって、良い結果を出された方の体験をご紹介します。お嬢さんがうつ病のF・Tさんです。

娘の暴言、暴力に悩んでいました。

何とかしようと変な気遣いをし、さらに怒りをかったり、それが怖くて私が我慢をしてしまい、それが溜まってくると私の方が切れたり、係われば、係わるほど苦しくなる日々でした

傾聴、オウム返し、共感を実践したところ、ある日娘が「お母さん、今日は話を聴いてくれてありがとう。やっと分かってもらえた気がして本当に嬉しかった。いままでは私の気持ちはいつもスルーされてしまい、辛かった」と。

その日を境に私の気持ちがとても楽になりました。

先生に感謝です。ありがとうございました。

傾聴って? オウム返しってどうやるの? 最近読み始めた方は、きっと戸惑われるかもしれません。結構以前に紹介したので、これから改めて紹介し直しますね。次回からをお楽しみに。

なお、お急ぎの方は、無料の冊子(携帯メールの方は、メールセミナー)でも紹介しています。こちらです




このブログは、うつ病の患者さん向けではなく、その家族や恋人、お友だちのためのブログです。

うつ病の患者さんに対して、どのように対応したらよいかということを書かせていただいています。心構えや、具体的なコミュニケーションの方法ですね。

また、知っておくと助かる、うつ病に関する情報も提供しています。


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