ようこそおいでませ
このブログでは、「うつ病の家族・友人・恋人に対して、どう接していったらいいか」という情報を掲載しています。コメントもできますから、うつ病の家族やお友だちをお持ちの皆さん、どうぞ感想をお聞かせくださいね。
このブログでは、「うつ病の家族・友人・恋人に対して、どう接していったらいいか」という情報を掲載しています。コメントもできますから、うつ病の家族やお友だちをお持ちの皆さん、どうぞ感想をお聞かせくださいね。
「うつ病は心の風邪です」。
そんな言葉を読んだり聞いたりしたことはありませんか? 最近、いろんなところで見聞きする言葉ですね。
しかし、この言葉によって、うつ病やうつ病治療に対して、間違ったイメージが持たれてしまうということがあるようです。
誰でも風邪にかかる可能性があるように、うつ病は、誰でもかかる可能性のある病気だということです。
うつ病になったからといって、その人が格別に弱い人間だとか、性格的におかしい人間だとかいうことではありません。
そして、うつ病は「病気」だということです。脳の神経と神経をつないでいる「シナプス間隙」というところの、神経伝達物質の量がアンバランスになって、前向きに考えたり、元気よく活動したりできなくなっているのです。
風邪をひいたら、声がかすれてしまい、流暢にしゃべったり、美しい声で歌ったりできなくなるかもしれません。熱が出て体力を消耗すれば、素早い行動がとれなくなるかもしれません。でも、それは病気のせいであって、その人のやる気の問題とか、性格の問題とは関係がありません。
ですから、「その性格を直せ」とか「もっと前向きに考えろ」とか、患者さんを責めないようにしましょう。
風邪をこじらせたら、病院で治療してもらう必要があるように、うつ病になったら専門家の治療が必要です。しかも、早ければ早いほどいいです。こじらせて肺炎になれば、それだけ回復に時間がかかります。
ご主人がうつ病じゃないかと疑った奥さん、何度か通院を勧めたのですが、ご主人は自分で治すんだと、通院をいやがりました。ご主人は、薬の力を借りることを、弱さの証明だと感じたようです。
そこで奥さんは言いました。
「インフルエンザにかかったら自力で治す? 骨折したら自力で治す? 自力で治さないで、薬や手術の助けを借りた人のことを、家族やお医者さんは弱い人だって馬鹿にする? うつ病は病気なんだから、自力で治せなくても恥じゃないよ。むしろ、薬の力を借りて、あなたが早く楽になってくれる方が、私は安心だし、うれしいよ」。
ご主人は、通院を了承してくれました。そして、早めに病院に行ったおかげで、その後も順調に回復なさいました。
風邪という言葉から、うつ病は心配するような病気ではないと、軽く考える人が結構たくさんいらっしゃるようです。
そのため、本人も家族も、治療の必要を感じないで、「何とか自力で」とがんばってしまって、どんどん重症化させてしまうのです。
うつ病は、放っておけば自殺という悲しい結末も引き起こしかねない、怖い病気です。その意味では、心の風邪どころか、心の肺炎くらいにとらえたほうが良いようです。
「この人、うつ病じゃないかしら」と感じたら、とりあえず通院を勧めましょう。うつ病でなかったとしたら、それはそれで安心ですし、もしもうつ病だとすれば、治療開始が早ければ早いほど、回復も早まるのですから。
ちょっと風邪をこじらせても、病院で注射したり、薬をもらって飲んだりすれば、2、3日、長くても1週間程度でずいぶん良くなります。そこで、「うつ病は心の風邪だ」というフレーズから、うつ病の治療も簡単に、短期間で終わると期待する方が結構たくさんいらっしゃるようです。
ところが、実際には、うつ病の治療を初めても、ちょっと楽になったなと感じられるまでには数ヶ月、半年、場合によっては数年かかることもしばしばあります。
うつ病治療の基本は休息です。そして、病院で処方される薬は、十分に休息するのを助けてくれます。薬は、睡眠薬とか精神安定剤なども使われることがありますが、中心は抗うつ剤です。
抗うつ剤は、脳内の神経伝達物質のアンバランスを調整してくれます。それによって、十分に休息がとれるようになり(アンバランスなままだと、たとえ休んでいても心が安まらないのです)、病気が回復していくのです。
ところが、抗うつ剤は何種類もあって、人によって合う、合わないがあります。そこで、お医者さんは患者さんの様子を見ながら、副作用の弱いものから順番に試していくのです。
抗うつ剤を飲み始めて効果が現れるのに、通常2、3週間かかります。そこで、薬の効果を試すのは、1種類につき1〜3ヶ月くらいかけるようです。なかなかその患者さんに合う薬に当たらない場合、病院にかかったのに何年もうつ状態が続くということになります。
患者さんは当然焦るでしょうし、こんなことなら薬を飲んでも仕方がないと、治療をやめてしまう方もいらっしゃるでしょう。
そして、家族も「心の風邪だなんて言うけれど、ちっとも治らない」と、一緒になって焦ってしまうかもしれません。患者さんが焦るのは仕方がありませんが(焦らなくてもよい場合でも焦ってしまう病気ですから)、家族は「治療には長い時間がかかるものだ。別におかしなことではない」と、どんと構えておきましょう。
ただし、こう言っては何ですが、中には腕の悪いお医者さんもいらっしゃいます。計画的に薬の効果を試しているのではなく、ただ漫然と薬を増やすだけというような。そこで、事前に口コミサイトなどで情報を集めたりする必要はあるかもしれません。そして、この先生の治療は大丈夫かなと思ったら、セカンドオピニオンを利用して、現在行なわれている治療について、客観的な評価をしてもらうことも考えて良いでしょう。
「うつ病は心の風邪」という言葉が一人歩きして、いろんな間違ったイメージを生み出しているようです。そのために、かえって治療に逆効果な行動につながるとしたら、それは残念なことです。
家族としても、正しい知識を手に入れることで、さらに患者さんの助けになれるといいですね。
そんな言葉を読んだり聞いたりしたことはありませんか? 最近、いろんなところで見聞きする言葉ですね。
しかし、この言葉によって、うつ病やうつ病治療に対して、間違ったイメージが持たれてしまうということがあるようです。
うつ病は心の風邪という意味
誰でもかかる可能性がある
誰でも風邪にかかる可能性があるように、うつ病は、誰でもかかる可能性のある病気だということです。
うつ病になったからといって、その人が格別に弱い人間だとか、性格的におかしい人間だとかいうことではありません。
うつ病は病気である
そして、うつ病は「病気」だということです。脳の神経と神経をつないでいる「シナプス間隙」というところの、神経伝達物質の量がアンバランスになって、前向きに考えたり、元気よく活動したりできなくなっているのです。
風邪をひいたら、声がかすれてしまい、流暢にしゃべったり、美しい声で歌ったりできなくなるかもしれません。熱が出て体力を消耗すれば、素早い行動がとれなくなるかもしれません。でも、それは病気のせいであって、その人のやる気の問題とか、性格の問題とは関係がありません。
ですから、「その性格を直せ」とか「もっと前向きに考えろ」とか、患者さんを責めないようにしましょう。
専門家の治療が必要である
風邪をこじらせたら、病院で治療してもらう必要があるように、うつ病になったら専門家の治療が必要です。しかも、早ければ早いほどいいです。こじらせて肺炎になれば、それだけ回復に時間がかかります。
ご主人がうつ病じゃないかと疑った奥さん、何度か通院を勧めたのですが、ご主人は自分で治すんだと、通院をいやがりました。ご主人は、薬の力を借りることを、弱さの証明だと感じたようです。
そこで奥さんは言いました。
「インフルエンザにかかったら自力で治す? 骨折したら自力で治す? 自力で治さないで、薬や手術の助けを借りた人のことを、家族やお医者さんは弱い人だって馬鹿にする? うつ病は病気なんだから、自力で治せなくても恥じゃないよ。むしろ、薬の力を借りて、あなたが早く楽になってくれる方が、私は安心だし、うれしいよ」。
ご主人は、通院を了承してくれました。そして、早めに病院に行ったおかげで、その後も順調に回復なさいました。
間違ったイメージ
たいしたことない
風邪という言葉から、うつ病は心配するような病気ではないと、軽く考える人が結構たくさんいらっしゃるようです。
そのため、本人も家族も、治療の必要を感じないで、「何とか自力で」とがんばってしまって、どんどん重症化させてしまうのです。
うつ病は、放っておけば自殺という悲しい結末も引き起こしかねない、怖い病気です。その意味では、心の風邪どころか、心の肺炎くらいにとらえたほうが良いようです。
「この人、うつ病じゃないかしら」と感じたら、とりあえず通院を勧めましょう。うつ病でなかったとしたら、それはそれで安心ですし、もしもうつ病だとすれば、治療開始が早ければ早いほど、回復も早まるのですから。
簡単に治る
ちょっと風邪をこじらせても、病院で注射したり、薬をもらって飲んだりすれば、2、3日、長くても1週間程度でずいぶん良くなります。そこで、「うつ病は心の風邪だ」というフレーズから、うつ病の治療も簡単に、短期間で終わると期待する方が結構たくさんいらっしゃるようです。
ところが、実際には、うつ病の治療を初めても、ちょっと楽になったなと感じられるまでには数ヶ月、半年、場合によっては数年かかることもしばしばあります。
うつ病治療の基本は休息です。そして、病院で処方される薬は、十分に休息するのを助けてくれます。薬は、睡眠薬とか精神安定剤なども使われることがありますが、中心は抗うつ剤です。
抗うつ剤は、脳内の神経伝達物質のアンバランスを調整してくれます。それによって、十分に休息がとれるようになり(アンバランスなままだと、たとえ休んでいても心が安まらないのです)、病気が回復していくのです。
ところが、抗うつ剤は何種類もあって、人によって合う、合わないがあります。そこで、お医者さんは患者さんの様子を見ながら、副作用の弱いものから順番に試していくのです。
抗うつ剤を飲み始めて効果が現れるのに、通常2、3週間かかります。そこで、薬の効果を試すのは、1種類につき1〜3ヶ月くらいかけるようです。なかなかその患者さんに合う薬に当たらない場合、病院にかかったのに何年もうつ状態が続くということになります。
患者さんは当然焦るでしょうし、こんなことなら薬を飲んでも仕方がないと、治療をやめてしまう方もいらっしゃるでしょう。
そして、家族も「心の風邪だなんて言うけれど、ちっとも治らない」と、一緒になって焦ってしまうかもしれません。患者さんが焦るのは仕方がありませんが(焦らなくてもよい場合でも焦ってしまう病気ですから)、家族は「治療には長い時間がかかるものだ。別におかしなことではない」と、どんと構えておきましょう。
ただし、こう言っては何ですが、中には腕の悪いお医者さんもいらっしゃいます。計画的に薬の効果を試しているのではなく、ただ漫然と薬を増やすだけというような。そこで、事前に口コミサイトなどで情報を集めたりする必要はあるかもしれません。そして、この先生の治療は大丈夫かなと思ったら、セカンドオピニオンを利用して、現在行なわれている治療について、客観的な評価をしてもらうことも考えて良いでしょう。
まとめ
「うつ病は心の風邪」という言葉が一人歩きして、いろんな間違ったイメージを生み出しているようです。そのために、かえって治療に逆効果な行動につながるとしたら、それは残念なことです。
家族としても、正しい知識を手に入れることで、さらに患者さんの助けになれるといいですね。
援助者のための心のケア
うつ病の治療に用いられている「認知療法」ですが、うつ病の患者さんに使うには、やはり専門家の指導の下に行なうのが良いでしょう。前の記事でも言いましたが、うつ病の人にはちょっときついのです。かえって落ち込ませてしまうなどの危険もあります。
私は、ご家族やお友だち……患者さんのサポーターの皆さんにこそ試してもらいたいなと思っているのです。
患者さんに関わっていると、いつの間にかストレスがたまってしまうものです。その結果、イライラしたり、不安になったり、寂しくなったり、落ち込んだりと、いろいろなネガティブな感情に振り回されてしまうことがあります。
これは、カウンセラーや医師などの、プロの援助職も同じです。そこで、援助職の人たちは、自分なりに自分の心を整理し、ケアする方法を持っています。そうでないと、うまく援助ができなくなってしまうので。
そのケアの一つが、認知療法的な方法です。
いつでもできる心のケア
本格的な認知療法をやるのは大変ですが、それを応用したやり方を紹介しましょう。
それは「日記」です。イライラしたり、もやもやしたり、がっかりしたり、傷ついたり、寂しかったり……とにかくいやな気持ちになったとします。その時にはなかなか時間が取れないと思いますが、夜など時間が取れるときに、その時の気持ちを書くのです。
気持ちを書く
この日記は「感情の日記」です。起こった出来事は書かないわけにはいかないでしょうが、大切なのは、その時どんな気持ちだったか、そして書いている今どんな気持ちか。
別に人に見せるものではありませんから、書き殴りでOKです。文法的におかしかったり、矛盾するようなことを書くなど、論理が通ってなくてもかまいませんから、とにかく書く。いっぱい書く。
うまく気持ちを言葉にできなくても、たとえば「胸が締め付けられるようだ」「秋の夕焼けのような気持ち」というような、比喩的な表現でもいいです。もちろん、無理に文学的な表現にしなくていいです。
そうやって自分の気持ちを書くと、書く前よりも気持ちが落ち着いてきます。言葉にすることにより、感情との間に適度な距離が取れるようになるのです。嫌な感情自体は無くならないにしても、感情に「巻き込まれる」状態からは脱することができるようになります。
読み直してみる
感情の日記を書いたら、自分の書いた文章を読み返してみましょう。
もしかしたら、最初のうちは読み返したくないかも知れません。ならば、無理に読み直す必要はありませんが、ある程度書くことが習慣になったら、ぜひ読み返してみてください。
読み返したとき、どんなことを感じたり考えたりしましたか? それも日記の終わりに書き加えましょう。
理由を考えてみる
書いて読み返すことができるようになったら、どうしてそのような気持ちになったのか考えてみましょう。
- どうして、腹が立ったのでしょうか?
- どうして、不安でいたたまれなくなったのでしょうか?
- どうして、悲しくなったのでしょうか?
- どうして、胸が締め付けられるようになったのでしょうか?
どんな感情であっても(他の人にとっては理解できない反応であっても)、本人にとっては感じて当然の感情なのです。そして、前の記事で書かせていただいたように、感情は考えが生み出します。考えとは意味づけ、理由付けです。
嫌われたと考えれば、悲しくて当然ですよね?
生活していけないと思えば、不安になって当然ですよね?
自分だけが苦労して、誰も助けてくれないと思えば、押しつぶされるような気持ちになるのは当然ですよね?
反省も自己弁護もしない
感情とその理由が見えてきたら、そのまま「そうか。あの時、こんなふうに考えたから、こういう気持ちになったんだなあ」と認めます。
別に、「こういうふうに考えるのはおかしい」なんて反省したり、「そう考えてどうして悪い!」と自己弁護したりしないで、ただ、そうなんだなと認めます。
そして、日記のノートを閉じます。これをしばらく続けてみてください。すると……あ、この先は、やった人なら分かります。何が起こるか、お楽しみに。
もっと認知療法を学びたい方のために
認知療法について、もっと詳しく学びたい方は、いろいろ書籍が出ているので参考になさるといいでしょう。
私がお勧めするのは、以下の2冊です。
- 大野裕「こころが晴れるノート」(創元社)
- グリーンバーガー&パデスキー「うつと不安の認知療法練習帳」(創元社)
しつこくてすみませんが、くれぐれも患者さんに認知療法の書籍を読むよう勧めたりしないでください。うつ病の人は、読んだり書いたりすることにストレスを感じます。必ず専門家の指導の下に行なってください。
前回に引き続き、うつ病の治療で用いられる「認知療法」についてお話しさせていただきます。
ただし、認知療法は患者さんに対して用いるのではなく、まずサポーターであるあなた自身に試してもらいたいです。
認知療法は相手の考えを修正しようとしますから、下手な使い方をしてしまうと、かえって相手を傷つける可能性があるのです。しかし、自分で自分に用いる分には、悪影響はほとんどありません。
認知療法の基本的な考え方は「感情は、状況が生み出すのではなくて、自分の考えが生み出す。だから、考え方を変えれば、感情も変わる」というものです。
考えというのは、人から何かを言われたとか、何かの出来事が起こったとかしたときに、どのようなことを考えるか、あるいはその事実をどのように受け止め、解釈するかということです。
いつもうつっぽい人や怒りっぽい人というのは、物事の受け止め方や考え方が、合理的ではありません。論理的な飛躍があったり、事実に反する結論を出したりするのです。
郵便ポストが赤いのも、電信柱が高いのも、みんな私のせいなのよ……って感じですね。本当は関係ないのに、何でもかんでも自分が悪いせいだと受け止める人がいます。
あなたも、うつ病の患者さんが、まったく関係ないことで自分を責めていらっしゃるのを、何度もごらんになったことでしょう。
私は、「うつ病の家族への対応マニュアル」という本を書いたおかげか、患者さんをサポートしている家族や恋人、お友だちの方々とのやりとりが増えました。そして、多くの方々がこんなふうに考え、苦しんでおられることに気づきました。
それは、「この人がうつ病になったのは、私のせいだ」「この人がなかなか治らないのは、私のせいだ」という考えです。
この記事を読んでおられるあなたに申し上げます。これは間違った考えです。あなたの大切なあの人がうつ病になったのはあなたのせいではありません。病気がなかなか治らないのは、あなたのせいではありません。誰が何と言おうとも!
あなたには人をうつ病にする神通力はありません。そして、人をいやす神通力もありません。それは、医師やカウンセラーだって同様なんです。私たちにできるのは、その人が癒えていくのを見守り、お手伝いをすることです。
あなたのせいじゃありません。もちろん、患者さんのせいでもありません。誰も悪くないのです。犯人捜しをして、自分や他人を責めることに時間とエネルギーを使う代わりに、「じゃあどうしようか」ということを考え、実行していきましょう。
患者さんの治療が長くかかったり、一家の大黒柱が病気になったりすると、「このままどうなってしまうんだろう」と不安になりますね。その場合、間違いなく破壊的なひどい未来を思い描いています。
リスクをあらかじめ想定しておくことは大切です。しかし、必ず破壊的な未来が実現すると決まっているわけではありません。そう決めつけるのは合理的じゃありません。そうならない可能性もあるんだということを知らなければなりません。
ある人が「不安の8割は実現しない」と言いました。ホントか嘘か、統計を取ったわけではありませんが、感覚としてはうなずける数字です。
人は、わけの分からないものを恐れます。でも、正体が分かると、結構大丈夫だったりもします。たとえば、闇夜に、隣の家の庭で白いふわっとしたものが動いているのを見てドキッとしたとしても、よく見たら、取り込み忘れたシャツだった……そうしたらもう怖くありませんね。
そこで、不安になったときは、正々堂々、思い切り不安になりましょう。そして、うすらぼんやりと思い描いている破壊的な未来、「こうなったらいやだ」と思って恐れている未来を、はっきりと意識のキャンバスに思い描くのです。
実際、文章で紙の上に書き出したり、絵に描いたりしてもいいでしょう。
すると、不安との間に距離を置くことができます。不安が無くなりはしないにしても、不安と共存できるようになるでしょう。
感じ方に問題を抱えている人は、視野が狭くなっていて、否定的なものしか見えなくなってしまっていたりします。その結果、落ち込んだりイライラしたりするのです。
しかし、ちょっと落ち着いて周りを見わたしてみると、感謝すべき点、喜ばしい点がたくさんあることに気づくはずです。
うつ病の患者さんの症状が重くて、一日中寝ている……そればかり目につくと、周りのサポーターとしては、がっかりしたり、不安になったりしますね。
しかし、患者さんや患者さんを取り巻く状況は、本当に否定的なものだけでしょうか。いいえ。たとえば、「少しご飯を食べてくれた」「今日も生きてくれている」「薬をちゃんと飲んでいる」「子どもの頭をなでてくれた」など、肯定的なものも、探せば見つかるはずです。
問題は、あると思って探さないこと。
なぜ探さないかといえば、そんなのは当たり前だと思っているからです。ご飯を食べるのは当たり前、生きているのは当りまえ、医師の指示通りに薬を飲むのが当りまえ、子どもに優しくするのは当たり前……。
「ありがとう」は「有り難し」から来ています。すなわち「あり得ないようなことが起きた」という感動です。当たり前と思っている人は、感謝や感動は味わえません。
それどころか、「当たり前」のことができない相手や自分にがっかりして、責めたくなります。
足りないところを数え上げるのではなく、当たり前のことを当たり前のようにやっていることに、むしろ注目してみましょう。そして、これは当たり前じゃない。ありがたい。そう思ってみましょう。
他にもいろいろと合理的ではない考え方がありますが、この辺にしておきましょう。
これらの考え方というのは、私たちの癖になっています。そして、半自動的に、無意識のうちに脳内で処理され、憂うつ・イライラ・不安などの嫌な感情を生み出してしまいます。
そこで、これらの考え方の癖を改めるには、よっぽど意識しないといけません。そして、練習が必要です。だから、うつ病の症状が重い患者さんには、認知療法はきついし、専門家による指導・サポートが不可欠なのです。
決して無理に勧めないでください。ましてや、「あなたの考え方がおかしいから、うつ病になるんだ」なんて責めたり、「こういう考え方をしたら?」なんてお説教してはダメですよ。
まずご自分でご自分の考え方の癖を探ってみてください。
次回も、認知療法についてお話しします。
ただし、認知療法は患者さんに対して用いるのではなく、まずサポーターであるあなた自身に試してもらいたいです。
認知療法は相手の考えを修正しようとしますから、下手な使い方をしてしまうと、かえって相手を傷つける可能性があるのです。しかし、自分で自分に用いる分には、悪影響はほとんどありません。
感情は考えが生み出す
認知療法の基本的な考え方は「感情は、状況が生み出すのではなくて、自分の考えが生み出す。だから、考え方を変えれば、感情も変わる」というものです。
考えというのは、人から何かを言われたとか、何かの出来事が起こったとかしたときに、どのようなことを考えるか、あるいはその事実をどのように受け止め、解釈するかということです。
いつもうつっぽい人や怒りっぽい人というのは、物事の受け止め方や考え方が、合理的ではありません。論理的な飛躍があったり、事実に反する結論を出したりするのです。
合理的ではない考えの例
全部私が悪いのよ
郵便ポストが赤いのも、電信柱が高いのも、みんな私のせいなのよ……って感じですね。本当は関係ないのに、何でもかんでも自分が悪いせいだと受け止める人がいます。
あなたも、うつ病の患者さんが、まったく関係ないことで自分を責めていらっしゃるのを、何度もごらんになったことでしょう。
私は、「うつ病の家族への対応マニュアル」という本を書いたおかげか、患者さんをサポートしている家族や恋人、お友だちの方々とのやりとりが増えました。そして、多くの方々がこんなふうに考え、苦しんでおられることに気づきました。
それは、「この人がうつ病になったのは、私のせいだ」「この人がなかなか治らないのは、私のせいだ」という考えです。
この記事を読んでおられるあなたに申し上げます。これは間違った考えです。あなたの大切なあの人がうつ病になったのはあなたのせいではありません。病気がなかなか治らないのは、あなたのせいではありません。誰が何と言おうとも!
あなたには人をうつ病にする神通力はありません。そして、人をいやす神通力もありません。それは、医師やカウンセラーだって同様なんです。私たちにできるのは、その人が癒えていくのを見守り、お手伝いをすることです。
あなたのせいじゃありません。もちろん、患者さんのせいでもありません。誰も悪くないのです。犯人捜しをして、自分や他人を責めることに時間とエネルギーを使う代わりに、「じゃあどうしようか」ということを考え、実行していきましょう。
もうおしまいだ!
患者さんの治療が長くかかったり、一家の大黒柱が病気になったりすると、「このままどうなってしまうんだろう」と不安になりますね。その場合、間違いなく破壊的なひどい未来を思い描いています。
- お金が無くなって一家でホームレス……とか
- 世をはかなんで自殺……とか
- 誰からも見捨てられて、一人さびしく死んでいく……とか
リスクをあらかじめ想定しておくことは大切です。しかし、必ず破壊的な未来が実現すると決まっているわけではありません。そう決めつけるのは合理的じゃありません。そうならない可能性もあるんだということを知らなければなりません。
ある人が「不安の8割は実現しない」と言いました。ホントか嘘か、統計を取ったわけではありませんが、感覚としてはうなずける数字です。
人は、わけの分からないものを恐れます。でも、正体が分かると、結構大丈夫だったりもします。たとえば、闇夜に、隣の家の庭で白いふわっとしたものが動いているのを見てドキッとしたとしても、よく見たら、取り込み忘れたシャツだった……そうしたらもう怖くありませんね。
そこで、不安になったときは、正々堂々、思い切り不安になりましょう。そして、うすらぼんやりと思い描いている破壊的な未来、「こうなったらいやだ」と思って恐れている未来を、はっきりと意識のキャンバスに思い描くのです。
実際、文章で紙の上に書き出したり、絵に描いたりしてもいいでしょう。
すると、不安との間に距離を置くことができます。不安が無くなりはしないにしても、不安と共存できるようになるでしょう。
視野の狭さ
感じ方に問題を抱えている人は、視野が狭くなっていて、否定的なものしか見えなくなってしまっていたりします。その結果、落ち込んだりイライラしたりするのです。
しかし、ちょっと落ち着いて周りを見わたしてみると、感謝すべき点、喜ばしい点がたくさんあることに気づくはずです。
うつ病の患者さんの症状が重くて、一日中寝ている……そればかり目につくと、周りのサポーターとしては、がっかりしたり、不安になったりしますね。
しかし、患者さんや患者さんを取り巻く状況は、本当に否定的なものだけでしょうか。いいえ。たとえば、「少しご飯を食べてくれた」「今日も生きてくれている」「薬をちゃんと飲んでいる」「子どもの頭をなでてくれた」など、肯定的なものも、探せば見つかるはずです。
問題は、あると思って探さないこと。
なぜ探さないかといえば、そんなのは当たり前だと思っているからです。ご飯を食べるのは当たり前、生きているのは当りまえ、医師の指示通りに薬を飲むのが当りまえ、子どもに優しくするのは当たり前……。
「ありがとう」は「有り難し」から来ています。すなわち「あり得ないようなことが起きた」という感動です。当たり前と思っている人は、感謝や感動は味わえません。
それどころか、「当たり前」のことができない相手や自分にがっかりして、責めたくなります。
足りないところを数え上げるのではなく、当たり前のことを当たり前のようにやっていることに、むしろ注目してみましょう。そして、これは当たり前じゃない。ありがたい。そう思ってみましょう。
練習が必要
他にもいろいろと合理的ではない考え方がありますが、この辺にしておきましょう。
これらの考え方というのは、私たちの癖になっています。そして、半自動的に、無意識のうちに脳内で処理され、憂うつ・イライラ・不安などの嫌な感情を生み出してしまいます。
そこで、これらの考え方の癖を改めるには、よっぽど意識しないといけません。そして、練習が必要です。だから、うつ病の症状が重い患者さんには、認知療法はきついし、専門家による指導・サポートが不可欠なのです。
決して無理に勧めないでください。ましてや、「あなたの考え方がおかしいから、うつ病になるんだ」なんて責めたり、「こういう考え方をしたら?」なんてお説教してはダメですよ。
まずご自分でご自分の考え方の癖を探ってみてください。
次回も、認知療法についてお話しします。
先日のNHKスペシャルでも取り上げられたせいか、最近、認知療法に関する質問をよくいただくようになりました。
認知療法についてお話しする前に、今日は、薬物治療以外のうつ病治療についてお話ししましょう。
うつ病というのは、原因がよく分かっていません。過労や介護疲れ、いじめや嫁姑問題など、継続的なストレスが引き金になる場合もありますし、統合失調症など他の病気の症状としてうつ状態になることもあります。また、これといったきっかけがはっきりしない場合もあります。
ただ、うつ病になると、脳内の神経伝達物質(セロトニンとかノルアドレナリンとか)の分泌がアンバランスになることが分かっています。それで元気が無くなったり、集中力が無くなったり、不安が増したり、自己肯定感を失ったりするわけです。
そこで、病院では、抗うつ剤などの薬を使って神経伝達物質の分泌を整えようとします。すると、少し気分が上向きになってきます。もちろん、医師による診断・処方が適切に行なわれ、患者さんも指導通りに薬を飲んだ場合ですが。
しかし、過労がきっかけでうつ病になったような場合、たとえ薬でうつ状態が緩和したとしても、以前と同じようなペースで仕事をしていれば、またいつかうつ病を再発させてしまうかも知れません。
ですから、ただ薬を飲むだけでなく、生活環境を見直す必要もあります。
対人関係でストレスを抱え込みやすい人は、コミュニケーションの取り方に問題がある場合がたくさんあります。
たとえば、
……などです。
そこで、そういう患者さんの場合には、薬物治療である程度精神状態が回復した上で、カウンセリングなどで、コミュニケーション・スキルのトレーニングを積んでいただいたりします。
このブログや、「うつ病の家族への対応マニュアル」の無料ダイジェスト版で紹介しているようなコミュニケーション・スキルは、もともとは患者さんの家族やお友だちのために紹介していますが、患者さん本人も身につけると役に立ちます。
ただし、患者さんに「この冊子を読んで、コミュニケーションの取り方を勉強しなさい」と無理に押しつけないでくださいね。まずはあなたが身につけて、患者さんに実践してみてください。
同じ現実に直面したとしても、人によって感じ方が違いますね。たとえば、職場で上司に叱られたとします。ある人はやる気を奮い立たせ、別の人は意気消沈してやる気を失います。さらに別の人は死にたくなるかも知れません。
これは人によって考え方、すなわち「起こった出来事に対する解釈の仕方」「現実の受け止め方」が違うからです。
叱られたときに、
そして、こういう考え方、受け取り方というのは、人によって傾向・癖があって、うつ病になりやすい人は、物事を悲観的に受け止めたり、自分に対してダメ出しをしたりような考え方をする癖を持っています。
そこで、こういう悲観的・自虐的な考え方の癖を見つけ出し、より合理的で、自分や周りの人たちを幸せにするような考え方に修正していく必要があります。そのために用いられるのが、認知療法なのです。
認知療法に関する本もたくさん出ていますが、認知療法を患者さん本人に用いるのは、訓練を受けた専門家が行なう方がいいと思います。考え方の癖を指摘され、それを改めさせられるというのは、患者さんにとっては結構きついので、細心の注意が必要なのです。
私は、患者さんのサポーターさんたち、家族やお友だちなどに、まずは認知療法を学んで欲しいと思っています。患者さんをサポートするのは大変です。その上に、いつの間にか悲観的・自虐的な考え方に陥り、ますます苦しい思いをしておられる人が少なくありません。
認知療法によって考え方を少し変えるだけで、まず自分自身が楽になることが大切です。こちらに余裕がないと、患者さんを支えることは難しいですからね。
認知療法については、次回もお話をさせていただきます。
認知療法についてお話しする前に、今日は、薬物治療以外のうつ病治療についてお話ししましょう。
薬物治療以外の対応
うつ病というのは、原因がよく分かっていません。過労や介護疲れ、いじめや嫁姑問題など、継続的なストレスが引き金になる場合もありますし、統合失調症など他の病気の症状としてうつ状態になることもあります。また、これといったきっかけがはっきりしない場合もあります。
ただ、うつ病になると、脳内の神経伝達物質(セロトニンとかノルアドレナリンとか)の分泌がアンバランスになることが分かっています。それで元気が無くなったり、集中力が無くなったり、不安が増したり、自己肯定感を失ったりするわけです。
そこで、病院では、抗うつ剤などの薬を使って神経伝達物質の分泌を整えようとします。すると、少し気分が上向きになってきます。もちろん、医師による診断・処方が適切に行なわれ、患者さんも指導通りに薬を飲んだ場合ですが。
生活環境を見直す
しかし、過労がきっかけでうつ病になったような場合、たとえ薬でうつ状態が緩和したとしても、以前と同じようなペースで仕事をしていれば、またいつかうつ病を再発させてしまうかも知れません。
ですから、ただ薬を飲むだけでなく、生活環境を見直す必要もあります。
対人関係スキルを習得する
対人関係でストレスを抱え込みやすい人は、コミュニケーションの取り方に問題がある場合がたくさんあります。
たとえば、
- 何かを頼まれると断り方が分からないため、よけいな仕事まで抱え込んでしまう。
- 助けが必要なときにも、援助を求めることができないため、一人で抱え込んでしまう。
- 自分の気持ちを伝えるときに、けんか腰のような言い方をするので、敬遠されて孤立しがち。
……などです。
そこで、そういう患者さんの場合には、薬物治療である程度精神状態が回復した上で、カウンセリングなどで、コミュニケーション・スキルのトレーニングを積んでいただいたりします。
このブログや、「うつ病の家族への対応マニュアル」の無料ダイジェスト版で紹介しているようなコミュニケーション・スキルは、もともとは患者さんの家族やお友だちのために紹介していますが、患者さん本人も身につけると役に立ちます。
ただし、患者さんに「この冊子を読んで、コミュニケーションの取り方を勉強しなさい」と無理に押しつけないでくださいね。まずはあなたが身につけて、患者さんに実践してみてください。
考え方を変える
同じ現実に直面したとしても、人によって感じ方が違いますね。たとえば、職場で上司に叱られたとします。ある人はやる気を奮い立たせ、別の人は意気消沈してやる気を失います。さらに別の人は死にたくなるかも知れません。
これは人によって考え方、すなわち「起こった出来事に対する解釈の仕方」「現実の受け止め方」が違うからです。
叱られたときに、
- 「この上司は、私に期待し、私ならその期待に応える力があると信じてくれている。絶対にその期待に応えてみせるぞ」と考える人は、やる気を奮い立たせるでしょう。
- 「この上司は、私を無能な部下だと思っている。もうこの会社での出世は期待できない」と受け取れば、やる気を失うかも知れません。
- 「こんな簡単な仕事も満足にできない自分は、社会で生きていくことができない人間だ。まともに働けないような自分のような人間は、生きていく価値がない」などと考える人は、死にたくなるかも知れませんね。
そして、こういう考え方、受け取り方というのは、人によって傾向・癖があって、うつ病になりやすい人は、物事を悲観的に受け止めたり、自分に対してダメ出しをしたりような考え方をする癖を持っています。
そこで、こういう悲観的・自虐的な考え方の癖を見つけ出し、より合理的で、自分や周りの人たちを幸せにするような考え方に修正していく必要があります。そのために用いられるのが、認知療法なのです。
認知療法に関する本もたくさん出ていますが、認知療法を患者さん本人に用いるのは、訓練を受けた専門家が行なう方がいいと思います。考え方の癖を指摘され、それを改めさせられるというのは、患者さんにとっては結構きついので、細心の注意が必要なのです。
私は、患者さんのサポーターさんたち、家族やお友だちなどに、まずは認知療法を学んで欲しいと思っています。患者さんをサポートするのは大変です。その上に、いつの間にか悲観的・自虐的な考え方に陥り、ますます苦しい思いをしておられる人が少なくありません。
認知療法によって考え方を少し変えるだけで、まず自分自身が楽になることが大切です。こちらに余裕がないと、患者さんを支えることは難しいですからね。
認知療法については、次回もお話をさせていただきます。
2月22日に放送された、NHKスペシャル「うつ病治療 常識が変わる」は、皆さんご覧になりましたか?
日本では、精神科医の技量の問題、医療保険の問題、医師以外の職種との連携の問題など、制度上の問題がたくさんあることが分かりましたね。
こういった問題についての要望の声を、行政などに発することはできますし、そうしなければならないと思います。しかし、これらの問題の多くは、一個人では、今すぐはどうすることもできません。
それでも、まったく何もできないわけではありません。現状の中で、患者さんのいのちや健康を守るため、私たちにできることがあるはずです。
番組内で、うつ病の専門医の先生が、「こういう医師は、問題かも知れない」というチェックリストを挙げておられました。
精神科や心療内科というのは、特にその科についての専門的な訓練を受けていなくても、看板を掲げることができるため、最近、ちゃんとした知識や技量無しに精神科医を名乗る医師が増えているということでした。
そういう「危ない医師」にかかってしまった場合、これらのチェックリストを知っていれば、すぐに気づいて転院できますね。
処方箋に書いてある説明は、「説明」の補助であって、説明ではないということでした。
基本的に、薬というのは1種類で効果が出るように作られているということでした。ですから、同じ効果の薬を3種類出すというのは考えられないということでした。
もちろん、抗うつ剤と、抗不安剤と、睡眠導入剤……のように、違う効果の薬が出て、数種類の薬を飲むように言われることはあることでしょうが。
「薬を増やせば効果が出る」というのは、医学的に証明されていないそうです。
同じ効果の薬を、何種類も出すというのと同じように、これは証明されていない治療法を行なっているということだ、と指摘されていました。
副作用についての報告は、文句ではなく、医師に対する情報提供です。
それなのに、まるでクレームを付けられたかのように過剰反応するということは、実は自信がない証拠なのかも知れませんね。
うつ病の治療に薬は欠かせません。しかし、他にも様々な治療に役立つ手段があります。とにかく薬という医師は、専門医としての勉強が足りないということかも知れませんね。
日本では、精神科医の技量の問題、医療保険の問題、医師以外の職種との連携の問題など、制度上の問題がたくさんあることが分かりましたね。
こういった問題についての要望の声を、行政などに発することはできますし、そうしなければならないと思います。しかし、これらの問題の多くは、一個人では、今すぐはどうすることもできません。
それでも、まったく何もできないわけではありません。現状の中で、患者さんのいのちや健康を守るため、私たちにできることがあるはずです。
問題のある医師の見分け方
番組内で、うつ病の専門医の先生が、「こういう医師は、問題かも知れない」というチェックリストを挙げておられました。
精神科や心療内科というのは、特にその科についての専門的な訓練を受けていなくても、看板を掲げることができるため、最近、ちゃんとした知識や技量無しに精神科医を名乗る医師が増えているということでした。
そういう「危ない医師」にかかってしまった場合、これらのチェックリストを知っていれば、すぐに気づいて転院できますね。
処方や副作用について、口頭で説明しない
処方箋に書いてある説明は、「説明」の補助であって、説明ではないということでした。
いきなり3種類以上の抗うつ剤を出す
基本的に、薬というのは1種類で効果が出るように作られているということでした。ですから、同じ効果の薬を3種類出すというのは考えられないということでした。
もちろん、抗うつ剤と、抗不安剤と、睡眠導入剤……のように、違う効果の薬が出て、数種類の薬を飲むように言われることはあることでしょうが。
薬がどんどん増える
「薬を増やせば効果が出る」というのは、医学的に証明されていないそうです。
同じ効果の薬を、何種類も出すというのと同じように、これは証明されていない治療法を行なっているということだ、と指摘されていました。
薬について質問すると、不機嫌になる
副作用についての報告は、文句ではなく、医師に対する情報提供です。
それなのに、まるでクレームを付けられたかのように過剰反応するということは、実は自信がない証拠なのかも知れませんね。
薬以外の対応法を知らないようだ
うつ病の治療に薬は欠かせません。しかし、他にも様々な治療に役立つ手段があります。とにかく薬という医師は、専門医としての勉強が足りないということかも知れませんね。

