2008年01月

ここでは、2008年01月 に関する情報を紹介しています。
こんにちは。カウンセラーの増田泰司です。

バックナンバー用のブログを作りました。
そちらはコメントもできます。
良かったら覗いてみてください。

  → 「うつ病の家族・友人との接し方



実は、私はキリスト教の牧師もしてます。

で、副業でカウンセラーとか、心理学関係のセミナー講師とか
やっているせいでしょうか、うちの教会には、
うつ病とか、摂食障害とか、心に宿題を抱えている方が、
けっこうたくさんいらっしゃってます。

「安心して病気でいられる」と言われます。

        (^^;


で、昨日の日曜礼拝の後、うつ病の方と少しお話をしました。

続きはこの後……。




目次


1.怒りは、回復のしるしなんです

2.翻訳しよう





1.怒りは、回復のしるしなんです


その方は、「最近、親に対する怒りが出てきて……」と、
おっしゃいました。

あらかじめ、「しばらくすると怒りが出てくるはずですよ」と
申し上げていましたので、
それほどびっくりはなさらなかったようですけどね。

それでも、怒りが抑えられずに、
家族とぶつかったりするようになったようです。


あなたのご家族・お友だちの患者さんはいかがですか?


以前はすごく優しかったのに、
うつ病になってしばらくすると、何だかイライラするようになった。

ちょっとしたことで怒鳴ったり、かみついてきたりするようになった。


そんなことありませんか?


それって、けっこう心にこたえますよね。

だって、こちらは患者さんのことを心配して、
いろいろ関わろうとしているのに、
感謝されるどころか、そんなふうにイライラされるって、ねぇ。



うつ病の患者さんが怒りを出せるようになったというのは、
実は回復のしるしなんです。


うつ病になりやすい方って、とても周りに気を遣う人が多い。
そして、真面目で完璧主義。

だから、全力で周りの人の期待に応えようとします。


だけど、本当は、自分だって周りの人に気を遣ってもらいたいし、
優しくしてもらいたいんです。


  ホントは自分だって甘えたいんだ!
  ホントは自分だって助けて欲しいんだ!
  ホントは自分だって話を聞いてもらいたいんだ!
  ホントは自分だって優しくしてもらいたいんだ!


でも、そんなこと言えないんですよ。

たぶん怖いのでしょう。
「いい人」をやってないと周りの人に見捨てられるって、
無意識に恐れているのかも知れませんね。


だから、人に甘える代わりに、ますます人に気を遣います。

しかし、そうやって気を遣って動けば動くほど、
周りの人はこっちを頼ってきて、よけいに大変になります。



すると、だんだん怒りがたまってきます。

自分は、周りの人の気持ちをささっと読み取って、
言われる先からがんばって動いているのに、
周りの人は、ちっとも自分に気を遣ってくれない……。


でも、うつ病の人は、その怒りを表に出すことができません。

むしろ、怒りを自分自身に向けてしまいます。

そして、自分を責め、叩いて、どんどん落ち込んでいくんです。



だから、うつ病の人が、怒りを出せるようになったというのは、
回復してきたしるしなんですね。



怒りってのは、実はリクエストなんです。

ホントは怒りたいんじゃない。怒鳴りたいんじゃない。
嫌みを言いたいわけじゃない。

「~してください」って言ってるんです。


  甘えさせてください。
  助けてください。
  しばらく話を聞いてください。
  励ましてください。
  抱きしめてください。
  病気で働けなくても、あなたは大切だよと言ってください。


今まで、あまり人に甘えたり頼ったりしたことがないので、
上手に助けを求めることができないんです。

結局一人でがんばるしかなくなっちゃう。


そして、金属疲労のように、あるとき心がぽっきり折れてしまう。
これがうつ病です。


だから、たとえ、怒りという変化球的な表現であったとしても、
表に出せただけ、大変な進歩です。

今までは、全部自分の中だけで処理していたんですからね。



でも、そのうちに、怒りの感情を使わないで、
上手にリクエストをすることができるようになります。


だから、うつ病の患者さんがイライラするようになっても、
どうか驚かないでください。

また、自分の関わり方がへたくそなんだと、
自分を責めなくていいです。


そういう時期なんです。


むしろ、順調に回復しているんだなと、
心の中で喜んであげましょう。


2.翻訳しよう


先ほども申し上げたとおり、うつ病になりやすい人は、
ストレートに援助を求めるのが下手です。

そして、ついつい自分一人だけでがんばってしまいます。

でも、そのがんばりの背後には
「私を助けて」というリクエストが隠されています。


そして、回復期の怒りの背後にも、
リクエストが隠されています。


だから、家族であるあなたは、
患者さんの隠されたリクエストを読み取ってあげてください。

いったい患者さんは、あなたにどんな助けを求めているんでしょうか。

それを読み取って欲しいのです。


  手伝って欲しい?
  話を聞いて欲しい?
  大切だよと言って欲しい?


そして、さりげなく、それをして差し上げてください。


うつ病の方は、助けられるのに慣れていませんので、
「してあげる」というスタンスだと、
「いいです。いいです」と、必死になって固辞するかも知れません。

だから「ぜひさせてください」というスタンスで行きましょう。

「あなたのため」というスタンスでなく、
「私のために、それをやらせてください」というスタンスです。

「私はぜひやりたい。だから、あなたが迷惑でなければ、
 ぜひやらせて欲しい」という手伝い方です。



別に、必死になって周りに気を遣わなくても、
無理してがんばって走り回らなくても、
こんなふうに自分を大切にしてくれる人がいる。

うつ病の人に必要なのは、そういう体験なんです。


そして、そういう体験を与えられるのは、
医者でもカウンセラーでもありません。

あなたです(^^)

はじめまして。増田泰司と申します。

心理カウンセラー、カウンセリングスクールの講師、
心理学やコミュニケーション関係のセミナー講師、
牧師などをやってます。

こころの世界の仕事を続けて、20年くらいです。


その間、うつ病、あるいはうつ状態の方たちと
たくさんお話ししました。

そして、その家族や友だちとも……。


うつ病は、患者さん本人はもちろん、
周りの人たちも苦しめます。


何とかして助けになりたいと思っているのに、
どうしたらいいのか分からないもどかしさや、罪責感。

良かれと思ってかけた一言が、
かえって相手を苦しめてしまったとまどい。

繰り返し繰り返し患者さんが語る否定的な言葉や、
時に暴言によって傷つく心。

いつになったら良くなるのかという焦りや絶望感。

経済的な不安。

自殺するのではないかという恐れ。



あなたはそんな心の痛みを感じていませんか?

私は感じてきました。
だから、ほんの少しですが、あなたの気持ちは分かるつもりです。

本来他人であるはずのカウンセラーですら感じるのです。
大切な家族やお友だちであるあなたは、
どれほどの悲しみや苦しみを感じていらっしゃるでしょうか……。



でも、本屋さんを見てみても、
患者さん本人に向けて書かれた本は多いけれど、
家族や友人の方の抱えている苦しみに焦点を当てた本は
あまり見受けられません。


そこで、このメールマガジンでは、
あなたの不安や苦しみがほんの少し軽くなるためのお手伝いを
させていただきたいと思います。

末永く、よろしくお願いします。


何か質問等がありましたら、いつでもメールをくださいね。
(左のメールフォームをお使いください)

感想や要望も大歓迎です。

   ※他の皆さんに参考になりそうな質問や感想は、
    メルマガ上で紹介させていただくことがあります。
    もちろん、プライバシーは守ります。





目次


1.このメールマガジンでお伝えすること

2.よくがんばってきたね




1.このメールマガジンでお伝えすること


このメルマガでは、うつ病の方、
あるいはうつ状態に陥っている方に対して、
どんなふうに接すれば助けになるか。

それをお話しします。

「心構え」の話と、「知識」の話と、
「スキル(技術・具体的な方法)」の話と、
できるだけ両方お話しするようにします。


経験上、「あるがまま相手を受け入れましょう」というような
心構えだけの話は役に立たないし、
かえって、できない自分を責める結果になります。

そして、しっかりした知識や心構えに裏付けられてはじめて、
技術も正しく用いることができるようになります。

小手先の技術だけ身につけて関わろうとしても、
心病む方々は、バッチリそれを見抜きますものねからね。



2.よくがんばってきたね


よく誤解されているのですが、
うつ病は気分の病気ではなく、神経の病気です。

詳しくはおいおいお話ししていきますが、
神経伝達物質のやりとりがうまくいかず、
気分や意欲などのコントロールが
上手にできなくなっているのです。


気分が落ち込んだり、動けなくなったり、
死にたくなったりするのは、神経の問題なのです。


だから、「うつ病は気の持ちようで何とかなる」
「気合いが足りないのだ」「怠け者なのだ」というとらえ方は、
まったくの間違いです。


たとえて言えば、うつ病の方は、
ガソリンの入っていない車みたいなものです。

セルモーターを回して、バッテリーの力で、
ようやくのろのろと動いている状態です。


がんばりたくてもがんばれないのです。

動きたくても身動きができないのです。

希望を持ちたくても持てないのです。

前向きに考えたくても考えられないのです。


それなのに「がんばれ!」「がんばって!」「前向きに考えて!」
なんて言われた日には、

  「これ以上どうがんばれって言うんだよ……」
  「みんなの期待に応えられない自分はダメだ……」

と、ますます自分を責めてしまうことになります。


励まさない。


それだけでも、うつ病の方にとっては励ましになるのです。



でも、だからといって、「がんばらなくてもいいんだよ」と言うと、
「期待されてない」と落ち込む人がいます。

また、一切声かけをしないとなると、
今度は「見捨てられた」と思って落ち込みます。

(なかなかやり甲斐がありますね!)



それではどんなふうに声をかけたらいいんでしょうか。

私は励ましたい気持ちになったときには、

  「今までよくがんばってきたよね」
  「体が動かない中、それでもよく○○できたね」

と言うようにしています。


もちろん、これに対しても、
「いや、そんなことはない。俺は怠け者だ」などと、
せっかくの声かけを否定するような反応を示すことが
多いかも知れません。

でも、あからさまに「がんばって」と励ますよりは、
はるかに心にエネルギーを差し上げることができるようです。


「がんばって」ではなく、
「がんばらなくてもいいんだよ」でもなく、
「今まで、よくがんばってきたね」


そして、この言葉は、あなたにも贈ります。
うつ病の患者さんへの関わり。
本当によくがんばってこられましたね。

本当によくがんばってこられましたね(^^)