2009年09月

ここでは、2009年09月 に関する情報を紹介しています。
うつ病の患者さんの中には、感情を爆発させて泣きわめいたり、暴れたりする方がいらっしゃいます。それは、わがままということではなく、つらい気持ちを抱えきれなかったり、薬が効き過ぎて情緒が不安定になったりするからです。

あまり続くようなら、主治医に連絡して、薬を変えるなどの対応していただく必要があるでしょうが、家族としてできることはないでしょうか。


爆発している最中


患者さんが爆発している真っ最中には、それを押さえ込むのはなかなか難しいです。無理に押さえようとすると、ますますいきり立ちます。

じゃあどうするか。

状況にもよりますが、抱きしめて「そうだね、ゴメンね」とか「つらいね」とか、爆発の原因になっている気持ちに共感を表すくらいでしょうか。

イメージとしては、泣いている赤ちゃんをあやす感じです。こういう表現は、患者さんに失礼ですが、暴れているときの精神状態は、赤ちゃんがむずかっているのに似ているのです。自分一人では問題を解決できず、さりとて言葉で困っている気持ちや状況を説明して、助けを求めることができないから、むずがるしかないのですね。

だから、暴れたり、わめいたりしている患者さんを叱るのではなく、「つらい気持ちを受け止めたよ」ということを伝え、「ここに私がいるよ」ということを伝えることで、励ましを受け取ってもらうわけです。

暴力への対応


ただし、暴力をふるわれる場合には、逃げてください。暴力は受けてはいけません。暴れ方がひどくて、あなたが恐怖心を感たり、暴言がひどくてあなたが傷ついてしまうときも同じです。

暴力・暴言はどんどんエスカレートしていきますし、暴力・暴言を受けるあなたも、どんどん心を病んでいきます。

別の部屋やトイレに行くとか、外に出るなどして、一時的に避難してください。


落ち着いている時に


感情が爆発している最中は、患者さんもいっぱいいっぱいで、あなたの話を聴く余裕もないでしょう。

ですから、爆発が収まって、落ち着いている時を狙って話をします。


  • 私はあなたの気持ちを理解したいし、力になりたいと思っている。

  • 泣きわめかなくても(暴れなくても)、ちゃんと話を聴くから大丈夫だ。

  • 泣きわめかれると(暴れられると)、こちらも話を落ち着いて聴けなくなるから、かえって逆効果だ。



これらを伝えて、「だから、嫌だったこと、して欲しいことがあれば、きちんと言葉で訴えて欲しい」ということをお願いしてみましょう。

説教するのではなく、「お願い」です。

一発では変わらないでしょうが、これを繰り返してみてください。


逃げるという予告


そして、「暴力をふるわれたり、耐えられない暴言を受けたり、恐怖を感じるような暴れ方をされた場合には、自分の心と体を守るために、一時的に逃げる」ということを、患者さんが落ち着いている時に伝えておくといいでしょう。

そして、「逃げるのは、あなたが嫌いだからではなく、嫌いになりたくないためだ」ということも。


自分を責めないで


患者さんが暴れたり、泣きわめいたりするのは、必ずしもあなたの対応がまずかったからではありません。ですから、ご自分を責めないでください。

自分を責めると、それをカバーするために、しつこく関わりすぎたりして、ありよい結果を招きません。

仮にあなたの対応によって患者さんがつらい思いをしたのだとしても、患者さんは暴れる以外の方法で自分の気持ちや願いを表現する必要があります。

もちろん、私は、暴れるのは患者さんが悪いと言っているのではありません。誰も悪くありません。あなたも、患者さんも、他の人も。

ただ、患者さんは困っていて、あなたも困っているということです。

誰が悪いか(患者さんか、あなたか、他の人か)ではなく、今後どうしたら、それぞれの困った状況を改善できるかというところに焦点を合わせて、患者さんと一緒に対応を考えられるといいですね。