2010年03月

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働く女性のためのサイト「escala cafe」に、興味あるアンケートが掲載されました。題して、

そのひと言が、逆に……!? 働く女子に聞く「逆効果だと思う慰めのセリフ」ランキング

結果だけ引用させていただくと……

第1位/「考えすぎじゃない?」(17.9%)……責められているような気分に。
第2位/「同情するよ」(16.7%)……上から目線……?
第3位/「みんな同じだよ」(14.6%)……そんなわけないと思います。
第4位/「がんばれ!」(14.3%)……がんばってもダメなんです。
第5位/「しょうがないよ」(8.1%)……じゃあ、どうしたらいいの……?
第5位/「なんとかなるよ」(8.1%)……ならないから辛いんです!
第7位/「君ならできるよ」(7.2%)……その期待がすごく重い
第8位/「大丈夫だよ」(6.9%)……安易に判断しないで!
第9位/「無理しないで」(3.6%)……したくないけど、そんなわけにいかない!
第10位/「息抜きしたら?」(2.7%)……できたら困ってなんかいません

これはOLさんたちへのアンケートなので、必ずしもうつ病の患者さんの感想と同じとは言えないと思いますが、参考にはなりますね。

こちらは善意で励ましたつもりなので、かえって相手を精神的に追い詰めてしまうことがあるんだということは、心したいと思います。

感想の解説


ここで、アンケート結果に掲載されている感想をピックアップして、解説してみます。

責められているような気分に


確かに、感情というのは、考え方が生み出します。否定的に考えればつらくなるし、前向きに考えれば、たとえ状況は変わらなくとも、感じ方は変わってくるでしょう。

うつ病の治療でも、考え方の癖を見直して、より現実的・合理的な、多面的なものの見方を身につけようとする、認知療法というものがあるくらいです。

でも、とにかく今は前向きに考えられないし、否定的な気分でいるわけです。それを直されるというのは、励ます側にはそういうつもりはなくても、励まされる側は、「落ち込んでいるあなたはおかしい」「そんな考え方をするあなたはおかしい」と責められているように感じるわけです。

そこで、否定的な考え方をすぐに直そうとしないで、「そっか。そんな気持ちなんだね」と、まずは直さないで、じっくりと弱音を聴いて差し上げる方が、かえって励ましになるものです。

上から目線?


そういえば、「同情するなら金をくれ」という台詞が流行ったドラマがありましたね。同情というのは、される方はあまり気分が良くないもののようです。

同情というのは、「かわいそうに」と思うことです。別にそれ自体はいいのですが、同情される側に立って考えてみましょう。「かわいそうに」と同情されるというのは、

「あなたはかわいそう。私はかわいそうじゃない」
「あなたは不幸。私は不幸じゃない」
「あなたは問題だらけ。私には問題はない」

……そんなふうに言われているように感じるかも知れません。同情している側はそういうつもりじゃないでしょう。でも、問題のただ中で苦しみ、余裕を失っている人は、そんなふうに感じてしまうようです。

「かわいそうに」というこちらの感想を述べる代わりに、「苦しいね」「それはつらいよね」と、相手のつらさ、苦しさを受け止めることに意識を向けてみましょう。

そんなわけないと思います


「みんな同じ」という励ましの意図は、「だから、あなたが特別おかしな人生を歩んでいるんじゃないから、自分を責めないで」とか、「みんなどうにか解決しているんだから、あなただって解決できるから安心して」とか言うふうに、相手に安心感を与えたいのでしょう。

しかし、言われた方はどう解釈するかというと、「あなたの悩みなんて、大したことない。そんなことで大騒ぎするのはおかしい」というふうに言われているように感じるようです。

それから、患者さんからよく聞くのですが、「それ、分かる、分かる」なんて安易に言われるのも腹が立つみたいです。「分かるわけないでしょ。あなたがうつ病になったわけじゃないんだから」と感じるから。

同じような体験を自分がしていると、ついついそう言いたくなりますが、全く同じ体験をする人なんて、この世の中にいません。一人一人違う体験をしているのです。カウンセラーの故・河合隼雄先生は、相談室に入る前に「人の気持ちなんて分からない」と、何度も自分に言い聞かせたそうです。人の気持ちは分からないんだから、分かったつもりにならないで、とにかく一生懸命聴くことに集中しようとしておられたのでしょう。

私たちもそうありたいものです。

がんばってもダメなんです


うつ病の人に「がんばれ」は禁句だというのは、よく聞かれると思います。なぜかというと、「がんばれ」ということは、「まだ、あなたのがんばりは足りない」と言われているように感じるからです。

うつ病は、車にたとえて言うと、ガソリンタンクとエンジンをつなぐパイプが詰まって、ほとんどガソリンが流れないような状態です。ガソリンがほとんど供給されないで車を動かそうとしているのが、うつ病の患者さんの一瞬一瞬の生き様なのです。

生きているというだけで、患者さんはもう十分がんばっておられます。それを理解し、それをねぎらって差し上げてください。

患者さんは、本当は死んで楽になりたいのかも知れません。だけど、そんなことをすれば、あなたを悲しませてしまう。だから、あなたのために、今日もむちゃくちゃがんばって生きていてくれているのです。

だとしたら、かける言葉は「がんばれ」じゃなくて、「ありがとう」ですよね?

できたら困ってなんかいません


相談を受けたり、弱音や愚痴を聞かされたりすると、私たちはすぐにその問題を何とかしたくて、「こうしたらいいよ」とアドバイスしたくなります。でも、たいていの場合、そんなことは本人は分かっているんです。分かっているけれどもできない事情があるから悩んでいるわけで……。

アドバイスしてはいけないのではなくて、その前に、よーく事情や気持ちを聴いて差し上げることが大事です。

それに、ほとんどの場合、相談したり、愚痴をこぼしたりなさる方は、アドバイスして欲しいのではありません。いかんともしがたい今のこのつらい気持ちを、とにかく聴いて欲しいのです。だから、聴くことを優先させましょう。あなたがしゃべることよりも。

直そうとするな、分かろうとせよ


カウンセリング界の重鎮、國分康隆先生の言葉です。

私たちは、ついつい「問題」に焦点を合わせて、その「問題」を解決してあげようとします。それが励まそうとする態度の背後にあります。

うつ病であれば、うつ病のつらい症状などが「問題」に当たります。私たちが励ますことで、患者さんに楽になってもらいたいという「善意」から出る行為です。

でも、患者さんの第一の願いは、励ましてもらいたいのではなくて、とにかく今のこのつらい気持ちを分かってもらいたいということです。一人で抱えきれないつらい気持ちを吐き出させてもらいたい、黙って聴いてもらいたいのです。

励ましてはいけないのではありません。でも、その前に、やるべきことがあるということです。



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