2011年05月

ここでは、2011年05月 に関する情報を紹介しています。
こんにちは。皆さま、いかがお過ごしですか?

東日本大震災に関して、ずいぶんご心配をおかけしておりますが、私は元気に生きております。

私は、スクールソーシャルワーカーという仕事もしておりまして、働いている村に、津波や原発事故のために避難して来られた方々がどっと押し寄せ、その子どもたちについての対応に忙しくしていました。PTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症した子どもたちが、結構いたものですから……。

そんなわけで、更新が遅れてしまいました。


さて、実は私は、キリスト教会の牧師もやっております。

以前、牧師仲間がしみじみと、「この仕事って、達成感がなかなか得られないよね」と言ってました。


心の世界を対象とする仕事というのは、ビジネスや物作りのように、「これで目標達成」「これで完成」「これで成功」という、一区切りになるようなゴールがないのです。

そして、これって、とてもストレスのたまることなんですよね。


「達成感がない」というのは、うつ病の患者さんに関わる家族も同じだろうと思います。


患者さんの症状はアップダウンします。そして、治療が順調に進んだとしても、「全快」までにはかなりの時間がかかります。薬がなかなか合わなかったり、主治医と患者さんの相性が合わなかったりすれば、さらに時間がかかってしまいます。

そのほかに、こちらが一生懸命に考えて関わっても、患者さんが全然反応を示してくれなかったり、かえってつらそうな顔をされたり……。


そうすると、だんだんと患者さんに関わっていくエネルギーが足りなくなってきますね。


でも、不思議なことなんですが、最初に申し上げた牧師仲間の一言、あれを聞いたときに、何だか自分の心がホッとしたんです。


患者さんは、そのつらい気持ちを分かってもらったときにホッとして、生きる力がわいてきます。それについては、このブログや、無料冊子でお話ししています。


それと同じように、私たち援助側も、援助に関わるつらい気持ちを分かってもらったときに、ホッとして、さらに患者さんに関わる力がわいてくるのです。


私が、「うつ病の家族への対応マニュアル」という本を出版したとき、ただ本を出すだけでなく、購入してくださった方たちのサークルを作りたいと思い、ネット上に作りました。

そのサークルでは、具体的なアドバイスに関する質疑応答もしていますし、うまく言った関わり方をお互いに紹介し合ったりもしています。ですから、お互いの知恵を出し合って、患者さんへの関わりを工夫していくことができます。


しかし、このサークルの目玉は、何と言っても「愚痴・弱音」が吐けるコミュニティだとうことです。

閉鎖的な空間だし、匿名だし、基本的に愚痴や弱音に関しては、励ましたり説教したりしてはいけないことになっているので、皆さん安心して愚痴や弱音を吐けるわけですね。


愚痴や弱音の書き込みを読んでいるのも、患者さんとの関わりで達成感がなくてストレスをためていらっしゃる方々です。だから、書き込みをなさった方の気持ちが良く分かるんですよね。


そして、自分が思っていることをその方が代弁してくれている気持ちにもなる。


自分はこの人の気持ちが分かる。

そして、この人も私の気持ちを分かってくれている。



この不思議な一体感が、私たちを強くします。

そして、また患者さんに向き合う気持ちを生み出します。


一人でうつ病に立ち向かうのはつらいです。

同じような闘いをしている仲間と、弱音でも、成功例でもなんでも話せたら、きっと今よりもずっと楽に患者さんに関わっていけるはず。


もしもそばに、うつ病の患者さんに関わっている人がいたら、あるいはうつ病でなくても、家族の問題で苦労していらっしゃる人がいたら、勇気を出してご自分のつらさを話してみてください。