2011年06月

ここでは、2011年06月 に関する情報を紹介しています。

うつ病と経済的な不安


調査によると、うつ病で通院している人の6~7割は、治療開始から半年以内にかなり回復します。

しかし、25%の人は、「だいぶ楽になった」と言えるようになるまで1年以上かかり、中には4年、5年と、長期にわたって治療を続ける患者さんもいらっしゃいます。

私は、1年以上治療している患者さんはもっと多いと感じていますが、これは私のところに相談してこられるのは、すでに長期に治療が続いている患者さんやその家族が多いからでしょう。


また、うつ病は再発も非常に多く、7割前後と言われています(おそらく、まだしっかり治っていないのに、少し楽になったからと、通院・服薬をやめてしまったり、無理をしてしまったりするせいでしょう)。


そうなると、問題になるのが治療費です。いくら保険がきくからといっても、何年も治療を続けるのは大変です。いったん症状が治まっても、人によっては予防薬を続けて飲まなければいけない場合もあります。

しかも、重度になれば、患者さんは働くことができなくなりますから、一家の大黒柱が倒れてしまえば、とたんに家族は経済的な不安を抱えることになります。


医療ソーシャルワーカー


病院によっては、「医療ソーシャルワーカー」(Medhical Social Worker、略してMSW)という職種を置いているところがあります。

医療ソーシャルワーカーさんたちは、医療と福祉に関する専門知識を持っていて、患者さんの経済的な課題の解決をお手伝いしてくださいます。


実は、患者さんの経済的に課題に対しては、さまざまな公のサポートが用意されています。

福祉的なサポートというと「生活保護」が思い当たりますが、これは最終手段。他にも、疾病手当金、自立支援医療費、障害年金など、いろいろなサポートが用意されています。

申請主義


しかし、日本の場合、こういったサポートというのは「申請主義」に基づいて給付されます。こちらが「こういう理由でサポートしてください」と申請しないと、お役所の方から積極的に手をさしのべてはくれないということです。

しかし、どんなサポートがあり、どこの役所にどうやって申請したらいいかというのは、普通の人はあまり知りません。

そこで、医療ソーシャルワーカーの人が、どんなサポートがあるかを情報提供してくださり、申請できるように手伝ってくださるのです。


また、ある程度病状が回復して、いよいよ社会復帰しようとする際にも、スムーズに復帰できるよう、いろいろと相談に乗ってくれます。

相談しよう、そうしよう


小さなクリニックでは、医療ソーシャルワーカーを置いていない所も多いですが、相談を受けられるかどうか、受付で(あるいは主治医に)尋ねてみるといいでしょう。

あるいは、地域の保健所、市町村役場の健康課や福祉課で相談するのもいいでしょう。


うつ病の患者さんを支えるというのは、とても大変です。

こういう外部の助けの手は、できるだけ上手に活用して、一人でストレスをためこまないようにしましょうね。