2011年11月

ここでは、2011年11月 に関する情報を紹介しています。
こういうブログを書いていると、病院や医師に関する問い合わせや愚痴などのメールもいただきます。

そんな中でも一番多いのが、薬が多すぎるのではないかという不安です。

このブログは、うつ病患者さんの家族や恋人・お友だちが、患者さんにどう接するかについて書くのが目的なので、申し訳ありませんが患者さん本人からの相談は受け付けておりません。

バランスのとれた考え方


うつ病というのは、脳神経の神経伝達物質がアンバランスになる病気ですから、それを整えるために抗うつ剤を用います。また、不眠に悩むことが多いので睡眠薬を用いたり、不安感が強い場合には精神安定剤を用いたりします。

双極性障害(躁うつ)や躁病で、気分がハイになりすぎているような場合(そのため、不眠不休で動き回ったり、高い買い物をしたり、尊大な態度を取ったりする)にも、周りの人の説得だけではなかなか抑えがききませんので、ひどいときには薬の助けを借りて少し落ち着いてもらうことも必要です。

もちろん、「薬を飲んでいれば治る」というわけではありません。再発を防ぐためにも、環境や生活パターンや思考パターンの見直しなどもしなければならないでしょう。

が、薬をまったく用いないでうつ病を治すのは非常に困難です。たとえば、カウンセリングをしようにも、気力がかなり減退しているために、面談したり、宿題をやったりすることができないことも多いからです。

薬を過信せず、さりとて頭から忌み嫌うこともせずという、バランスのとれた考え方をしていただければと思います。

多すぎる薬は問題


しかし、一度に大量の薬を出す病院は、やはり問題があると思った方がいいかもしれません。

同じ効果を狙った薬が何種類も出る


一口に「抗うつ剤」と言っても、実は何種類もあって、人によって相性の良し悪しがあります。Aさんには良く効いた薬がBさんには効かず、別の薬が効くという事もよくあるわけです。

そこで、普通の精神科医や心療内科医は、数週間ごとに、副作用の軽い薬から「一つずつ」効果を試していきます。抗うつ剤+精神安定剤+睡眠薬+頭痛薬というふうに、違う薬効を狙った薬が何種類か一度に出るなどということは十分あり得ますが、同じ薬効の薬、たとえば抗うつ剤だけで何種類もいっぺんに出るというのは、本当に意味のある処方なのか疑問を持ってもいいでしょう。

量や種類を調整しないで、薬を追加する


抗うつ剤と頭痛のための鎮痛剤をもらった患者さんがいました。次の診察時に「胃のあたりがシクシク痛んで」と言うと、すでに出ている薬の強さ(量や種類)を調整するのではなく、ただ胃薬が追加されただけでした。

次の診察で「便秘気味で、おしっこも出づらい感じがします」と言うと、下剤と利尿剤が追加されました。

さらに次の診療で「手が震えるようになりました」と言うと、抗パーキンソン病薬が追加されました。

しかし、全然抑うつ状態が改善されないので、「なかなか憂うつな気分が抜けなくて」と言うと、一つだった抗うつ剤が3種類になり、しかも最初の抗うつ剤の量も増やされました。

こうやってどんどん薬が増えていき、その結果、ろれつが回らなくなったり、めまいがしたりするようになりました。それに対しても、この医者は薬を追加することで対処しようとしました。

薬がどんどん増えていくのは、大体こういうパターンにはまるからのようです。かといって、病院に行ってつらいことや気になることを訴えられないのも困りますね。

ほとんど話を聞かないで薬を出す


一つずつ効果を確認しながら、薬の種類や量を調整する以上、医者は患者さんの話をよく聴かなければならないはずなのですが、メンタル系の病院の中にはいわゆる「3分診療」でたくさんの患者さんをさばこうとしているところもあります。

話をよく聴かないで、とにかく薬を出しておけばいいという態度の医者も、そういう病院の中にはいることでしょう。そうすると、前項の例のようにどんどん薬の量が増えていきます。

また、よく話を聴かないために、実は別の病気だったのに間違って診断し(たとえば、本当は双極性障害2型なのに、うつ病と診断されるなど)、そのため効かない薬を渡し続けることになり、その結果薬の種類や量が増えるというふうになってしまうこともあるでしょう。

量が増えたからといって効果が高まるわけじゃない


たとえ飲む量が増えたとしても、その結果、病気がしっかり治るのならばまだいいのですが、残念なことに量を増やしたからといって、それで薬効が高まるというわけではないそうです。

ということは、単純に「効かないから量を増やそう」という態度の医師は、おそらく間違ったやりかたをしているということですね。

評判のいい医者にかかること


患者さんに渡される薬がどんどん増えているなと感じたら、思い切ってセカンドオピニオンを取って、本当にちゃんとした診療がなされているのかをチェックしてみるのもいいでしょう。

セカンドオピニオンについては、こちらの記事をご覧ください。

また、過去記事の「問題のある精神科医の見分け方」もご覧ください。

最近では、ネット上で地域の病院の口コミを読み書きできるサイトが増えてきました。最初に病院にかかる時には、知り合いやそういうサイトなどで評判をチェックしてから行くようにするといいですね。「あの病院に行ったら、うつ病がよくなった」という評判です。

結局のところ、医者がどの大学を出ているかとか、建物が立派かどうかではなく、「治せる病院がいい病院」なんです。

本来、患者側がこうやって自己防衛しなければならないというのは悲しいことなのですけどね……。