2014年07月

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このブログを読んでくださる方の多くは、うつ病の患者さんを支える立場……家族、恋人、友人、同僚……の方々でしょう。うつ病は治療開始が遅れると、けっこう治療が長期化し、一生懸命関わってもなかなか先が見えません。おまけに、他の病気や怪我などと違って、関わってもなかなか感謝してもらえません(感謝するだけの気力がないので)。そんな中であきらめないで支え続けている皆さんには頭が下がります。よく頑張っていらっしゃいますね。

しかし、時にはあえて距離を取り、手助けしないことが手助けということもあります。典型的には、うつ病になったことをあなたのせいにし、暴力や暴言を吐くという状態……すなわちDV状態のときです。

それは元々の性格では?


特に、患者さんがもともと他罰的な性格だったり依存的な性格だったりする場合には、注意が必要です。
  • 他罰的とは、うまくいかないことをすぐ他人や社会のせいにするということです。

  • 依存的とは、人には自分のことは自分で考え、自分で決断し、自分で実行し、その結果についてはうれしいことでも嫌なことでも引き受ける責任がありますし、自分でできない部分を他の人に委託するとしても、結果については自分で引き受けなければなりませんが、それを他人に丸投げし、結果も引き受けないで他人に尻ぬぐいさせるということです。

典型的なうつ病(メランコリー型)の人は、いわゆる「いい人」が過ぎて、本来自分の責任ではないことまで背負ってしまって苦しむことが多いのですが、最近注目されている「新型うつ」(ちなみに、そういう病名はありません)と呼ばれるタイプは、自分の責任を他人になすりつけ、それがうまくいかずに(当たり前ですね)、落ち込んだり、社会から引きこもったりというパターンです。

その一環として、職場や学校でうまくいかず、社会適応できないことを家族のせいにして、八つ当たりをすることがあるわけです。

典型的なうつ病の人も怒りを表したり、暴言を吐いたりすることもありますが、それはむしろ回復のしるしかもしれません。典型的なうつ病になる人の多くは、元々自分の責任ではないことまで背負ってきました。ですから、他人に怒りを感じるようになり、それを表に出せるようになっただけでも、大きな進歩です。今まで使ったことのない筋肉を使うような者で、まだ上手に出せないでいるだけだと考えられますから、怒りを怒りとして受け止めず、「こういうふうにして欲しかったんだね」と、怒りの背後にある患者さんのリクエストを読み取り、翻訳してあげるようにすると、いずれ患者さんも怒りを使わない伝え方を身につけて行かれるでしょう。

典型的なうつ病の人が怒りを表出すると、たいてい後で反省して落ち込みます。しかし、元々他罰的な人は当然のことをしていると思っているので、反省したり落ち込んだりはしないでしょう。

家族などが、もともと他罰的な患者さんの怒りや暴力・暴言をまともに引き受けて謝ったり、何とか患者さんの要求に応えようと、本来患者さんが自分でしなければならないことを尻ぬぐいしたりしていると、ますます患者さんは依存的な生き方を強化してしまうでしょう。

三十六計逃げるにしかず


ですから、
  • 暴力を受けたら、あるいは受けそうになったら、すぐに逃げてください。ひどい場合には警察の介入も求めましょう。

  • 暴言を吐かれたら席を外してください。

  • そういうのは嫌だと突っぱねてください。

  • それは私はやりたくないと断ってください。

もともと他罰的・依存的だった患者さんは、回復のためには、「自分の人生の責任を自分で負う」ことを学ばなければなりません。そうでないと、ますます周りの人たちと摩擦が起こり、つらくて残念な経験をさせられることになるでしょう。そうならないために、いかに家族や恋人だといっても、理不尽な接し方をしたら逃げられるということを、患者さんは学ばなければならないのです。冷たいようですが、それが患者さんのためです。

あなた自身を救うことが患者さんを救うこと


そして、このブログでも何度も繰り返していますが、「溺れている人は溺れている人を救えません」。あなたが暴力や暴言を喜んで受けているのなら話は別ですが、本当はつらくてつらくてたまらないのなら、まずはあなた自身のために距離を取らないといけません。

なにもすぐに離婚しろとか、絶交しろとか言っているのではありません。暴力や暴言を受けないよう、ひとまず物理的に距離を取るのです。そうでないと、どんどんとつらい気持ちが蓄積していって、ある日ある時爆発するでしょう。そうなったら、離婚とか絶交とかいう破壊的な決断をしなければならなくなります。そうならないためにも、あなた自身が精神的に余裕ある状態になければならないのです。

あなた自身が余裕を持つために、人生に楽しみを見出しましょう。たくさんお金をかけなくても楽しめることはたくさんあります。ウィンドウショッピングでもいいし、友だちとおしゃべりするでもいいですし、散歩するでもかまいません。患者さん以外のものに自分の心を向けて、「うれしいなあ」「きれいだなあ」「楽しいなあ」「幸せだなあ」と感じられるようなことに、もっと時間を使ってください。それが、回り回って患者さん(典型的なうつ病の患者さんも含む)のためにもなります。

「自分のこと」の範囲


もともと他罰的・依存的ではなく、むしろがんばりすぎる性格だった人の場合には、自分の責任ではないことまで背負わないように、やんわりと注意して差し上げてください。

どちらのタイプも、「自分の責任」の範囲を見失っている(広すぎるか、狭すぎるか)という点では同じです。

責任とは、「自分のことは、自分で考え、自分で決断し、自分で実行し、実行した結果については、それが良いものでも嫌な者でも自分で引き受ける」ということです。「自分のこと」とは具体的に何なのか、それを的確に判断する力があなたには求められますね。

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