こんにちは。カウンセラーの増田泰司です。
私が講師をやっているカウンセリング・スクールの本部は、
山形県の米沢市にあります。
私の住んでいる福島県に隣接している市です。
昨日は久しぶりに本部に行ったのですが、
道路にはまったく雪がありませんし、道路脇にもほとんどありません。
米沢と言えば、日本でも有数の豪雪地帯で、
この時期は、道路脇に除雪された雪の壁が
できるくらいなんですけど……。
うーん、やっぱり温暖化なんですかねえ。
1.人は治して欲しいんじゃない
2.気持ちに焦点を合わせて聴く
だいぶ前の話になりますが、テレビの某バラエティ番組を観てました。
その番組の中に、電話相談のコーナーがあったんですよね。
その日、主婦の方が家族の問題について話をしてました。
最初のうちは普通に話を聴いていた司会者さんなんですが、
途中でスタッフから回されたメモを読んで、突然怒りだしたんです。
「奥さん、あなた2日前にも、
NHKラジオの人生相談番組で、これと同じ相談したでしょ」
NHKの人生相談では、弁護士などその道の専門家が相談を受けます。
そこでは、専門家が話を聴き、真剣にアドバイスをしたはずなんです。
なのに、3日もたたないうちに同じ話を別のところで相談したってことは、
そのアドバイスをちゃんと実行してないってことです。
それは、1日や2日では解決しないような問題でしたから。
だから、「奥さん、本気で解決する気あるの?」って、
司会者が怒ったわけ。
でもね、私はこの奥さんの気持ち、分かるような気がしたんですよ。
NHKでアドバイスをもらって、ちゃんと実行しないうちに
この番組に相談したくなった気持ちが、です。
あなたはいかがですか?
私たちって、人から相談をされたり、弱音を吐かれたり、
つらそうにしている人を見たりすると、
何とかその問題を解決してあげたいって思いますよね?
すると、焦ってその人を治そう(直そう)としちゃいます。
すなわち、いろんなアドバイスをしてみたり、
その人の今の生き方、言動を修正させようとしたり……。
でも、それって、相談している人にとっては、
あんまりうれしくないんですよ。
むしろ、かえってつらい関わりなんです。
人が、相談をしたり、弱音を吐いたりするのは、
治して欲しいからでも、教えて欲しいからでもありません。
……と言い切っちゃうと問題ですね。
確かに、治して欲しいし、アドバイスして欲しいっていうのは、
別に嘘ではありません。ホントの気持ちです。
でも、それは「第一の動機」じゃないってこと。
第一の動機とは、「気持ちを分かって欲しい」ってことです。
その問題のただ中で、自分がどんな気持ちでいるのか。
その悲しさ、苦しさ、恐ろしさ、不安、怒り、イライラ、切なさ……。
それを分かって欲しい。
これが第一の動機なんです。そして、第一の動機が満たされないと、
人はその次に移ることができないんです。
その次というのは、「治して欲しい、教えて欲しい」です。
先ほどの奥さんは、つらい気持ちを分かって欲しくて、
NHKの人生相談に電話をしました。
ところが、充分気持ちを分かってもらったと実感する前に、
「こんなふうにすれば解決しますよ」とアドバイスされちゃった。
だから、第一の動機が欲求不満になったのです。
「分かってもらえなかった」と、よけいに切なくなったのです。
だから、別の番組に電話をかけたのです。
アドバイスして欲しかったからじゃなくて、分かってもらいたくて。
でも、そこでもアドバイスされ、
挙げ句の果てに「解決する気がない」と、叱られてしまった……。
実は、うつ病の方からの相談の中に、
「家庭で弱音を吐けない」という悩みが、結構あります。
下手に弱音を吐いてしまうと、
すぐに「がんばって」と励まされたり、
「そんなことを言うと、言霊が働いてますますひどくなる」と叱られたり、
「こんなふうに考えてみたら?」とアドバイスされるんです。
そして「誰もこのつらい気持ちを分かってくれない」と、
ますますみじめで、孤独で、悲しくなってしまう……。
だから、カウンセラーの国分康孝先生はこうおっしゃいます。
「治そうとするな、分かろうとせよ」
人は治して欲しいんじゃない。分かって欲しいんだ。
あなた自身はどうですか?
あなたが誰かに相談したり、愚痴をこぼしたり、
弱音を吐いたりするときのことを考えてみてください。
治そうとしないで、分かろうとして聴く。
なるほど。
じゃあ、具体的にはどうしたらいいんでしょうね。
これからしばらく、そんな話もしてみたいと思います。
まずは、「口をはさまないで聴く」ってことをやってみてください。
うつの患者さんが、自分のつらい気持ちを語ったり、
死にたいなんてことを言ったりしたとき、
ついつい励ましたくなります。
「そんなこと言っちゃダメ」と言いたくなります。
でも、その一言をグッと飲み込んで、
「そう……」とうなずいてみてください。
「そう……」
「そっかぁ……」
「そうなんだ……」
「ふーん……」
「へー……」
「なるほど……」
「それから?」
「それで?」
これらの相づちの言葉は、それ自体に深い意味はありません。
でも「ちゃんと聴いてるよ」「もっと話していいよ」「もっと聞かせて」
「バカにしてないよ」「叱らないから安心して話していいよ」
というようなメッセージを話し手に伝えます。
このとき、大切なのは、患者さんの気持ちに焦点を合わせて聴くこと。
「この人はどんな気持ちなのかな?」
そこを聴き取るってこと。
どうアドバイスをしたらいいか、
その材料探しのために聴くんじゃありません。
「この人はどんな気持ちなんだろう?」
そんな思いで聴くのです。
そして、口には出さないけれど
(あ、もちろん出してもいいです)、
「あなたはそういう気持ちなんだね」
「そうか、そんなにつらいのかぁ」
「もっとあなたのつらい気持ちを聴かせて」
というような思いをこめて、うなずき、
「ふーん」とか「そうなんだー」とかの相づちを入れましょう。
私もカウンセリングの訓練を受けたとき、
二人組になって、黙って聴く練習をしました。
最初は、2分間黙って聴くのもつらかったです。
あなたもそうかも知れない。
でも、やってみてください。
だんだんと、口を挟まないで聴くことに慣れてきます。
そして、本当に患者さんの気持ちが伝わってくるようになります。
すると、その分だけ、患者さんの心はホッとするのです。
うつ病の患者さんは、つらい気持ちがたくさんたまっています。
だから、数回こんな効き方をしたからといって、
それで気分がすっかり元気になるということはありません。
でも、気持ちに焦点を合わせて聴いてもらう。
それは患者さんにとっては大きな励ましになるんです。
あなたもさっそくやってみてください。
私が講師をやっているカウンセリング・スクールの本部は、
山形県の米沢市にあります。
私の住んでいる福島県に隣接している市です。
昨日は久しぶりに本部に行ったのですが、
道路にはまったく雪がありませんし、道路脇にもほとんどありません。
米沢と言えば、日本でも有数の豪雪地帯で、
この時期は、道路脇に除雪された雪の壁が
できるくらいなんですけど……。
うーん、やっぱり温暖化なんですかねえ。
目次
1.人は治して欲しいんじゃない
2.気持ちに焦点を合わせて聴く
1.人生相談番組での出来事
だいぶ前の話になりますが、テレビの某バラエティ番組を観てました。
その番組の中に、電話相談のコーナーがあったんですよね。
その日、主婦の方が家族の問題について話をしてました。
最初のうちは普通に話を聴いていた司会者さんなんですが、
途中でスタッフから回されたメモを読んで、突然怒りだしたんです。
「奥さん、あなた2日前にも、
NHKラジオの人生相談番組で、これと同じ相談したでしょ」
NHKの人生相談では、弁護士などその道の専門家が相談を受けます。
そこでは、専門家が話を聴き、真剣にアドバイスをしたはずなんです。
なのに、3日もたたないうちに同じ話を別のところで相談したってことは、
そのアドバイスをちゃんと実行してないってことです。
それは、1日や2日では解決しないような問題でしたから。
だから、「奥さん、本気で解決する気あるの?」って、
司会者が怒ったわけ。
でもね、私はこの奥さんの気持ち、分かるような気がしたんですよ。
NHKでアドバイスをもらって、ちゃんと実行しないうちに
この番組に相談したくなった気持ちが、です。
あなたはいかがですか?
私たちって、人から相談をされたり、弱音を吐かれたり、
つらそうにしている人を見たりすると、
何とかその問題を解決してあげたいって思いますよね?
すると、焦ってその人を治そう(直そう)としちゃいます。
すなわち、いろんなアドバイスをしてみたり、
その人の今の生き方、言動を修正させようとしたり……。
でも、それって、相談している人にとっては、
あんまりうれしくないんですよ。
むしろ、かえってつらい関わりなんです。
人が、相談をしたり、弱音を吐いたりするのは、
治して欲しいからでも、教えて欲しいからでもありません。
……と言い切っちゃうと問題ですね。
確かに、治して欲しいし、アドバイスして欲しいっていうのは、
別に嘘ではありません。ホントの気持ちです。
でも、それは「第一の動機」じゃないってこと。
第一の動機とは、「気持ちを分かって欲しい」ってことです。
その問題のただ中で、自分がどんな気持ちでいるのか。
その悲しさ、苦しさ、恐ろしさ、不安、怒り、イライラ、切なさ……。
それを分かって欲しい。
これが第一の動機なんです。そして、第一の動機が満たされないと、
人はその次に移ることができないんです。
その次というのは、「治して欲しい、教えて欲しい」です。
先ほどの奥さんは、つらい気持ちを分かって欲しくて、
NHKの人生相談に電話をしました。
ところが、充分気持ちを分かってもらったと実感する前に、
「こんなふうにすれば解決しますよ」とアドバイスされちゃった。
だから、第一の動機が欲求不満になったのです。
「分かってもらえなかった」と、よけいに切なくなったのです。
だから、別の番組に電話をかけたのです。
アドバイスして欲しかったからじゃなくて、分かってもらいたくて。
でも、そこでもアドバイスされ、
挙げ句の果てに「解決する気がない」と、叱られてしまった……。
実は、うつ病の方からの相談の中に、
「家庭で弱音を吐けない」という悩みが、結構あります。
下手に弱音を吐いてしまうと、
すぐに「がんばって」と励まされたり、
「そんなことを言うと、言霊が働いてますますひどくなる」と叱られたり、
「こんなふうに考えてみたら?」とアドバイスされるんです。
そして「誰もこのつらい気持ちを分かってくれない」と、
ますますみじめで、孤独で、悲しくなってしまう……。
だから、カウンセラーの国分康孝先生はこうおっしゃいます。
「治そうとするな、分かろうとせよ」
人は治して欲しいんじゃない。分かって欲しいんだ。
あなた自身はどうですか?
あなたが誰かに相談したり、愚痴をこぼしたり、
弱音を吐いたりするときのことを考えてみてください。
2.気持ちに焦点を合わせて聴く
治そうとしないで、分かろうとして聴く。
なるほど。
じゃあ、具体的にはどうしたらいいんでしょうね。
これからしばらく、そんな話もしてみたいと思います。
まずは、「口をはさまないで聴く」ってことをやってみてください。
うつの患者さんが、自分のつらい気持ちを語ったり、
死にたいなんてことを言ったりしたとき、
ついつい励ましたくなります。
「そんなこと言っちゃダメ」と言いたくなります。
でも、その一言をグッと飲み込んで、
「そう……」とうなずいてみてください。
「そう……」
「そっかぁ……」
「そうなんだ……」
「ふーん……」
「へー……」
「なるほど……」
「それから?」
「それで?」
これらの相づちの言葉は、それ自体に深い意味はありません。
でも「ちゃんと聴いてるよ」「もっと話していいよ」「もっと聞かせて」
「バカにしてないよ」「叱らないから安心して話していいよ」
というようなメッセージを話し手に伝えます。
このとき、大切なのは、患者さんの気持ちに焦点を合わせて聴くこと。
「この人はどんな気持ちなのかな?」
そこを聴き取るってこと。
どうアドバイスをしたらいいか、
その材料探しのために聴くんじゃありません。
「この人はどんな気持ちなんだろう?」
そんな思いで聴くのです。
そして、口には出さないけれど
(あ、もちろん出してもいいです)、
「あなたはそういう気持ちなんだね」
「そうか、そんなにつらいのかぁ」
「もっとあなたのつらい気持ちを聴かせて」
というような思いをこめて、うなずき、
「ふーん」とか「そうなんだー」とかの相づちを入れましょう。
私もカウンセリングの訓練を受けたとき、
二人組になって、黙って聴く練習をしました。
最初は、2分間黙って聴くのもつらかったです。
あなたもそうかも知れない。
でも、やってみてください。
だんだんと、口を挟まないで聴くことに慣れてきます。
そして、本当に患者さんの気持ちが伝わってくるようになります。
すると、その分だけ、患者さんの心はホッとするのです。
うつ病の患者さんは、つらい気持ちがたくさんたまっています。
だから、数回こんな効き方をしたからといって、
それで気分がすっかり元気になるということはありません。
でも、気持ちに焦点を合わせて聴いてもらう。
それは患者さんにとっては大きな励ましになるんです。
あなたもさっそくやってみてください。
この記事へのコメント
こんにちわ
船橋のドラえもん@マイミク募集中です
そっかー
心から勉強になりました
目からうろこが数枚落ちた気分です
又来ます
船橋のドラえもん@マイミク募集中です
そっかー
心から勉強になりました
目からうろこが数枚落ちた気分です
又来ます
船橋のドラえもんさん。
角膜まで落ちそうになりませんでしたか?
笑顔同封 たいぢ
角膜まで落ちそうになりませんでしたか?
笑顔同封 たいぢ
2008/01/25(金) 17:07 | URL | 増田泰司 #tZDc9YLU[ 編集]

